マイナンバー、戸籍も

マイナンバー、戸籍も
結婚・相続で謄本不要 18年実施検討
2015/3/15 3:30 朝刊
 政府は日本に住むすべての人に割り振る社会保障と税の共通番号(マイナンバー=総合・経済面きょうのことば)を、2018年にも戸籍に適用することを検討する。結婚やパスポート申請、遺産相続といった行政手続きの際に、戸籍謄本などが不要になる。将来的にはインターネットで結婚などの手続きが可能になる見通しだ。もっとも戸籍には幅広い個人情報が含まれ、実現には厳密な情報管理が必要になる。

 マイナンバー制度は16年1月に始まり、今年10月から番号を通知する。個人は社会保障や税の手続きで所得証明書などが不要になる。行政側は給与や金融所得などが把握しやすくなる。政府は転居時に電力会社やガス会社、金融機関への連絡を一度でできる電子サービスも提供する予定だ。
 政府が戸籍へのマイナンバー適用を検討するのは、煩雑な行政手続きを改善するためだ。現行制度では住民票を基にマイナンバーを発行するため、戸籍を基にした手続きでは利用できない。
 現在は婚姻届、離婚届、パスポートの申請のほか、年金の受給申請や遺産相続などの行政手続きで戸籍情報が必要だ。戸籍にもマイナンバーを適用すれば行政機関がオンラインで戸籍情報をやりとりできるようになり、市区町村などから戸籍謄本や戸籍抄本を取り寄せて提出する手間がなくなる。政府は17年にネット上にマイナンバーの個人ページを開設する予定で、将来的には結婚や相続、パスポートの申請などをネットでできるようにすることも検討する。
 現行制度では日本の住民票がなくなるとマイナンバーは使えないが、パスポートに適用すれば転勤などで海外に移っても関連サービスを受けられる。居住地域の危険情報などを個別に受け取れるほか、帰国時に電力、ガス会社や金融機関に一括で手続きできるようになる。行政側も海外在留邦人の安否確認や在外選挙の事務が効率化できる。
 マイナンバーを適用するには戸籍の電子化が必要だが、法務省によると全国の市区町村で約98%が既に電子化を終えているという。政府は詳細を検討して15年度中に結論を出し、16年度以降にマイナンバー法や戸籍法などの関連法を改正する。
 ただ、家族関係など住民票より幅広い個人情報を含む戸籍をマイナンバーに適用すると、情報漏洩が起きた際の被害は大きくなる。相続時の保険金の受け取りや預金の引き継ぎなど、民間が関わる手続きにも利用を認めるかは慎重に検討する。

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