マイナンバー、滞る行政効率化 個人サイトの本格運用、半年延期

日本経済新聞 朝刊 経済(5ページ)
2016/6/23 3:30
 税と社会保障の共通番号(マイナンバー)を巡り、関連する行政手続きの開始が大幅にずれ込む見通しだ。マイナンバーの個人向けサイト「マイナポータル」は来年1月に運用を始める予定だったが、本格的に稼働できるのは半年後の来年7月となる。年金と国税納付の情報を結びつけ、利用者の手間を省く仕組みも11カ月遅れる見通しだ。

 マイナンバーは今年1月に開始。行政機関の情報を結びつけ、個人の行政手続きの手間を省く。だが、昨年6月に日本年金機構の情報流出問題が発覚。情報保護策を講じる作業に手間取り、複数のサービスの開始が遅れる状態になっている。

 マイナポータルがあると、年金給付額をネットで点検できたり、年金保険料をクレジットカードで納付できたりする。しかし、運用が始まらないと使えない。マイナンバーで個人の年金情報と、国や市町村の納税情報を結びつける時期も17年1月から同11月にずれ込む。国は昨年、最大11月まで延期できるように法改正したが、11月から前倒しでの達成は断念した。

 年金と納税の情報が結びつくと行政手続きは楽になる。低所得者が国民年金保険料の免除を申請する際、いまは市役所と年金機構の事務所に出向く必要がある。マイナンバーを使えば年金事務所に行くだけで済むが、利用者が恩恵を受けられるのはまだ先になる。

 一方、マイナンバーカードもシステムの不具合が相次ぎ、交付が遅れている。15日時点の交付枚数は申請の51%どまり。システムを管理する地方公共団体情報システム機構(東京・千代田)の西尾勝理事長は22日、不具合の責任を取り、報酬の2割を2カ月間返納する考えを示した。

 西尾氏は同日の記者会見で「全国の住民や市区町村に多大な迷惑をかけた。けじめをつける必要があると考えた」と陳謝。トラブルが再発しないようシステムの監視を強化し、自治体の支援も徹底するとした。

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