工藤会、上納金を脱税容疑

工藤会、上納金を脱税容疑 
トップら4人逮捕、全国初 資金源にメス
2015/6/16 15:30 夕刊
 配下の組員から集めた上納金のうち個人所得に当たる約2億2700万円を隠して所得税約8800万円を免れたとして、福岡県警は16日、暴力団工藤会(本部・北九州市)トップの総裁、野村悟被告(68)=殺人罪などで起訴=を所得税法違反(脱税)の疑いで再逮捕した。県警によると、上納金を個人の所得とみなし、脱税事件として立件したのは全国初。

 野村容疑者の逮捕は4回目。
 法人格を持たない暴力団の幹部らが上納金を資産購入や飲食費など私的に使えば、個人の所得とみなされ課税対象になる。しかし資金の流れを特定することが難しく、捜査当局にとって脱税容疑での立件は課題となっていた。警察庁幹部は「暴力団の上納金に捜査のメスを入れ、資金源に打撃を与えることは意義がある」と話した。
 県警は上納金を管理していたとして、工藤会幹部の山中政吉容疑者(64)=北九州市小倉南区八幡町、いずれも同会系組幹部の伊藤明雄容疑者(41)=同市八幡西区香月西3、丸本竜治容疑者(41)=同市小倉北区砂津3=の3人も同法違反容疑で逮捕。3人の役割分担も調べる。
 県警は昨年9月以降、野村容疑者ら最高幹部を同市の元漁協組合長、梶原国弘さん(当時70)射殺事件などに関わった疑いで相次ぎ逮捕した。
 捜査関係者によると、一連の捜査の過程で、傘下組織から上納金を集めたことを示すメモを押収。資金の流れを詳しく調べた結果、上納金の一部を野村容疑者が私的に使っていたことが判明し、県警は個人の所得にあたると判断した。
 野村容疑者らの逮捕容疑は2013年までの4年間、工藤会の運営費名目で傘下組織から集めた上納金のうち約2億2700万円を税務申告せず、所得税約8800万円を脱税した疑い。伊藤容疑者については、このうち13年までの3年間の所得隠しに関わった疑いが持たれている。県警は4人の認否を明らかにしていない。
 県警は今後、野村容疑者以外の最高幹部も同様に脱税した疑いを視野に捜査する方針。16日に記者会見した吉田尚正県警本部長は「上納金の仕組みを解明し、工藤会の壊滅に向けた一歩とする」と話し、資金面の捜査を急ぐ考えを示した。

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