税務訴訟の件数半減 昨年度231件、04年度比 国税、調査ルール明確化で

日本経済新聞 朝刊 社会1(38ページ)
2016/6/21 3:30
 国税当局から所得隠しや申告漏れを指摘された企業や個人が、処分を不服として裁判で争う件数が減っている。国税庁は20日、2015年度に提起された訴訟(控訴や上告含む)は231件だったと発表した。前年度から6件減り、04年度(計552件)の半分以下だった。手続きが明確になったことなどが背景にある。


 内訳は所得税関連が85件、法人税関連が38件など。また国税不服審判所長に対する審査請求は2098件だった。過去最低だった前年度より3.3%増えたが、11年度(3581件)の6割程度の水準となっている。

 企業や個人が申告した所得や税額が少ないと、税務署長は追徴課税などの処分を下す。不服がある場合は再調査や国税不服審判所長への審査請求を経るなどし、最終的に訴訟となる。
 
 減少の背景にあるのは税務調査のルールの明確化だ。13年から調査対象や期間をあらかじめ伝えたり、処分理由を文書で伝えたりすることが法律で義務化された。以前は理由をはっきり書面で示さないまま追徴金額だけ示し、納得できない納税者が訴訟を起こすことも多かったという。

 税務訴訟に詳しい山下貴税理士は「改正後、税務調査が丁寧になった。1件の処理にかかる期間も長くなっている」と話す。鳥飼総合法律事務所の高田貴史・税務部長は「感情的な対立を基にした訴訟が減り、当局も法令解釈を巡る重要事案などに力を注げるようになった」と評価する。

 国税当局の態度の変化も指摘される。税務訴訟に詳しい弁護士は「大型税務訴訟の敗訴が続き、国税当局が慎重になっている」とみる。

 2月には東京国税局から申告漏れを指摘された日本IBMの持ち株会社が訴えた訴訟で約1200億円の課税を取り消す判決が確定。武富士(現在は更生会社TFK)創業者の親族への課税でも11年に国が敗訴し、利子を含め約2千億円の巨額還付となり話題を呼んだ。 訴訟の件数半減
昨年度231件、04年度比 国税、調査ルール明確化で

「日本ワイン」基準厳しく

「日本ワイン」基準厳しく
国税庁、表示ルール策定 純国産、海外展開後押し
2015/6/12 3:30 朝刊
 国税庁は11日、国内で販売されているワインの表示ルールを新たに策定する方針を固めた。国産のブドウを原料に国内で製造されたワインだけを「日本ワイン」とし、ブドウの産地や品種などを表示できるようにする。純国産のブランド力を高め、海外展開を後押しするのが狙い。国税審議会に諮ったうえで今秋にも導入する。 続きを読む

相続税の申告必要?

相続税の申告必要?
国税サイトで判定できます
2015/5/11 3:30 朝刊
 国税庁は11日、相続税の申告手続きが必要かどうかを判定できるコーナーをホームページ(HP)に開設する。法定相続人の数や相続する財産金額などを入力すると、判定結果が表示される仕組み。入力結果が一覧になった「相続税の申告要否検討表」は印刷できる。国税庁は「申告の要否を調べる目安として活用してほしい」と呼びかけている。
 相続税は、亡くなった親や配偶者らの財産を受け継ぐ際にかかる税。財産の合計金額が基礎控除額を超えた場合は申告が必要になる。
 今年1月の税制改正で、非課税枠である基礎控除はこれまでの「5千万円+1千万円×法定相続人数」から「3千万円+600万円×法定相続人数」に4割縮小。課税対象者は大幅な増加が見込まれている。

 

サッポロに酒税返還せず

サッポロに酒税返還せず
国税 ビール系飲料で115億円
2015/4/28 15:30 夕刊
 国税当局は28日までにサッポロビールから請求を受けていた115億円の酒税を返還しない方針を決めた。サッポロは昨年5月まで生産していたビール系飲料「極ゼロ」が税率の低い第三のビールと認められない可能性が高まったとして酒税を昨夏、自主納付した。だが検証の結果、第三のビールである確証を得たとして支払った酒税の返還を1月に求めていた。 続きを読む

企業の交際費、想定より低調

企業の交際費、想定より低調
非課税枠拡大 13年度6.3%増どまり
2015/3/29 3:30 朝刊
 国税庁によると、2013年度の企業の交際費支出は3兆825億円となり、前年度に比べて6.3%、1815億円増えた。この増加分のうち中小企業の支出が1658億円を占めた。13年度から中小企業の交際費の非課税枠が拡大したためだ。14年度からは大企業も交際費の一部を非課税にできる。ただ、想定より景気を刺激する効果は限定的との声もある。
 資本金1億円以下の中小企業の13年度の交際費支出は2兆3111億円と前年度比で7.7%増えた。中小企業は交際費を人件費などと同様に税務上の損金として扱え、税負担を減らせる。13年度に従来基準の「交際費の9割を年600万円まで」から「全額を年800万円まで」に拡大した。
 交際費の非課税枠の拡大で景気を刺激しようと、麻生太郎財務相の肝煎りで13年度税制改正で決まった。ただ、想定より効果は限定的だったとの声がある。ニッセイ基礎研究所の薮内哲研究員は制度改正によって、中小企業は税負担を変えずに約2843億円分の支出を増やせたと試算。「13年度の支出の増加額は想定より低調。企業がやみくもに交際費を増やすことは少なくなった」と指摘する。
 大企業では従来、交際費は全額損金として認められていなかったが、14年度から交際費の50%を税務上の損金として認められた。15年度末までの時限措置だが、14年度は大企業でも交際費支出が増える可能性はある。ニッセイ基礎研究所は、制度改正による中小と大企業を合わせた負担軽減額は約1070億円とみている。

 

最高裁判所判決(馬券の払戻金に係る課税)の概要等について

最高裁判所判決(馬券の払戻金に係る課税)の概要等について

平成 27 年3月  国税庁

1 最高裁判決の概要
競馬の馬券の購入を機械的、網羅的、大規模に行っており、かつ、そうした購入を実際に行
っていることが客観的に認められる記録が残されているなどの場合において、①競馬の馬券の
払戻金は、一時所得と雑所得のいずれに該当するか、②所得金額の計算上控除すべき金額は、
的中した馬券の購入金額に限られるか否か、が争われていた裁判で、最高裁平成 27 年3月 10
日判決は、競馬の馬券の払戻金はその払戻金を受けた者の馬券購入行為の態様や規模等によっ
ては、一時所得ではなく、雑所得に該当する場合があり、その場合においては外れ馬券も所得
金額の計算上控除すべき旨、判示しました。 続きを読む