遺産相続 手続き簡素化 戸籍情報、証明書1通に

日本経済新聞 朝刊 1面(1ページ)
2016/7/6 3:30
 法務省は5日、遺産相続(総合2面きょうのことば)の手続きを簡素化するため、相続人全員の氏名や本籍地などの戸籍関係の情報が記載された証明書を来春から発行すると発表した。これまでは不動産や預金などを相続する場合、地方の法務局や銀行にそれぞれ全員分の戸籍関連の書類を提出しなくてはならなかった。今後は必要書類を一度集めて法務局に提出すれば、証明書1通で済む。(関連記事経済面に)

 法務省は年内にパブリックコメント(意見公募)を実施した上で、今年度中に不動産登記規則を改正し、2017年度の運用開始を目指す。

 新たに導入する簡素化に向けた制度では、相続が発生した場合、まず相続人の一人が全員分の本籍や住所、生年月日などを記載した申請書類をつくり、相続人全員分の戸籍と亡くなった人の戸籍をそろえて法務局に提出する。

 この書類をもとに法務局が証明書をつくる。書類を精査し、内容を確認すれば、公的な証明書として保管する。相続人には証明書の「写し」が交付される。

 証明書は別の法務局でも使えるため、地方の不動産などを相続する場合、負担軽減につながる。法務省は各金融機関でも相続申請時に証明書を活用できるよう調整する。

長く連れ添えば相続多く 配偶者の法定分3分の2に 介護・看護者に請求権 法制審が中間試案

日本経済新聞 朝刊 社会1(38ページ)
2016/6/22 3:30
 民法の相続分野の見直しを議論する法制審議会(法相の諮問機関)の部会は21日、結婚期間が長期にわたる場合、遺産分割で配偶者の法定相続分を2分の1から3分の2に引き上げることなどを柱とした中間試案をまとめた。子の配偶者など現行法では相続の対象にならない人でも、看病や介護をすれば相続人に金銭を請求できる仕組みも盛り込まれた。


 配偶者の相続分の引き上げは高齢化で相続時の年齢が高くなった妻らの生活を保護するなどの狙いがある。ただ部会でも異論があるため、議論がまとまるかどうかは不透明だ。法務省は来年中に民法改正案を国会に提出する方針。

 中間試案は配偶者の相続財産について(1)結婚して一定期間(20年または30年)過ぎたケースでは、法定相続分を引き上げる(2)結婚後に所有財産が一定以上増えた場合、その割合に応じて増やす――の2案を提示した。

 法務省によると、配偶者の法定相続分は1980年に3分の1から2分の1に引き上げられて以来、変更されていない。

 また亡くなった夫が遺言で自宅を第三者に贈与しても、妻が住み続けられる「居住権」を新設。現行法では退去を求められる恐れがあり、試案は一定期間または亡くなるまで権利を与える案を示している。

 相続人以外の人が介護や看病で献身的な貢献をした場合、相続人に金銭を請求できる仕組みも盛り込まれた。現行では、例えば長男の妻が介護した義父母の財産を相続する権利はないが、妻が相続人である長男らに対して金銭の請求をできるようにする。金額が協議で決まらない場合は家庭裁判所が決める。

 ただこの仕組みでは亡くなった人に関わる全ての人の貢献を考慮しなければならない。請求が多発し相続の紛争が拡大、長期化する恐れがあるとの指摘もある。

 遺言制度の利用を促進するため、全文を自筆で作成する「自筆証書遺言」の形式を緩和。財産目録はパソコンで作ることができるようにする。

 法務省は7~9月にパブリックコメント(意見公募)を実施する。

個人型の確定拠出年金、法改正で941万人希望 野村総研調べ

日本経済新聞 朝刊 投資情報(15ページ)
2016/6/22 3:30
 野村総合研究所は個人型の確定拠出年金(DC)について、法改正により新たに対象となる公務員や主婦など941万人が加入を希望すると試算した。ネットを通じてアンケート調査を1万1732人に実施した。政府は個人型DCの対象者を来年1月から拡大する見通しで、新たなDC拠出額は年間で1兆円程度に達すると同社は推計している。

 個人型DCは加入者が金融機関を選び、自分で毎月の掛け金を投資信託などで運用する。現在は自営業者や企業年金のない会社員しか加入できないが、来年から企業年金のある会社員や公務員、主婦など約2600万人が新たに対象となる。

 アンケートの結果、公務員では対象者のうち25%、会社員は21%、専業主婦は13%が個人型DCへの加入を希望すると試算。それぞれの対象者数から新規利用者の見込みを導いた。

 個人型DCでは加入手続きに1~2カ月程度かかると言われる。アンケートでは全体の7割が1カ月以内に手続きが完了すると考えており、手続きの煩雑さが意識されれば加入者数が伸び悩む可能性もある。

ウィンドウズ10更新に注意喚起 消費者庁

日本経済新聞 朝刊 社会1(38ページ)
2016/6/23 3:30
 消費者庁は22日、米マイクロソフトが昨年7月に提供を始めた最新の基本ソフト(OS)「ウィンドウズ10」への自動更新について注意を呼びかけた。意図しない更新で、未対応の周辺機器がつかえなくなるなどの不具合の可能性があるという。

 リコール(回収・無償修理)対象品を除き、同庁が個別企業の製品について注意喚起するのは異例。消費生活センターなどに相談が寄せられ、利用者が多いことを考慮した。

 ウィンドウズ10は7月29日まで無償で更新できる。現在「7」や「8.1」を使っている場合、更新の予定日時が書かれたポップアップをそのままにしたり、閉じたりしただけでは自動的に更新される。キャンセルするためにはポップアップ内のリンクをクリックして手続きする必要がある。

 日本マイクロソフトによると、「意図せずに更新された」などの相談が同社に多数寄せられており、6月末までに相談体制を拡充する。

マイナンバー、滞る行政効率化 個人サイトの本格運用、半年延期

日本経済新聞 朝刊 経済(5ページ)
2016/6/23 3:30
 税と社会保障の共通番号(マイナンバー)を巡り、関連する行政手続きの開始が大幅にずれ込む見通しだ。マイナンバーの個人向けサイト「マイナポータル」は来年1月に運用を始める予定だったが、本格的に稼働できるのは半年後の来年7月となる。年金と国税納付の情報を結びつけ、利用者の手間を省く仕組みも11カ月遅れる見通しだ。

 マイナンバーは今年1月に開始。行政機関の情報を結びつけ、個人の行政手続きの手間を省く。だが、昨年6月に日本年金機構の情報流出問題が発覚。情報保護策を講じる作業に手間取り、複数のサービスの開始が遅れる状態になっている。

 マイナポータルがあると、年金給付額をネットで点検できたり、年金保険料をクレジットカードで納付できたりする。しかし、運用が始まらないと使えない。マイナンバーで個人の年金情報と、国や市町村の納税情報を結びつける時期も17年1月から同11月にずれ込む。国は昨年、最大11月まで延期できるように法改正したが、11月から前倒しでの達成は断念した。

 年金と納税の情報が結びつくと行政手続きは楽になる。低所得者が国民年金保険料の免除を申請する際、いまは市役所と年金機構の事務所に出向く必要がある。マイナンバーを使えば年金事務所に行くだけで済むが、利用者が恩恵を受けられるのはまだ先になる。

 一方、マイナンバーカードもシステムの不具合が相次ぎ、交付が遅れている。15日時点の交付枚数は申請の51%どまり。システムを管理する地方公共団体情報システム機構(東京・千代田)の西尾勝理事長は22日、不具合の責任を取り、報酬の2割を2カ月間返納する考えを示した。

 西尾氏は同日の記者会見で「全国の住民や市区町村に多大な迷惑をかけた。けじめをつける必要があると考えた」と陳謝。トラブルが再発しないようシステムの監視を強化し、自治体の支援も徹底するとした。

遺産約4億円を隠す、相続税2億円余り脱税の疑い

 東京の不動産管理会社の社長が、母親の遺産を隠し相続税2億円あまりを脱税したとして、東京地検特捜部に逮捕されました。

 相続税法違反の疑いで逮捕されたのは、東京・新宿区の『東南建物』の社長、大高和寿容疑者(56)です。

 特捜部などによりますと、大高容疑者は2013年に母親の遺産を相続した際、自分が会社から借りた金を母親が借りたように装い、相続財産およそ4億円を隠して相続税2億2900万円を脱税した疑いが持たれています。

 大高容疑者は「脱税する意図はなかった」と容疑を否認しているものとみられます。(22日11:30)

豊作サクランボ、値下がりせず  ふるさと納税需要で

日本経済新聞 夕刊 1面(1ページ)
2016/6/21 15:30
 旬を迎えたサクランボが豊作となった。だが消費地への入荷量が大きく増えても値下がりしていない。産地の好天や糖度の高い品種の収穫量が増えたほか、ふるさと納税の返礼品にサクランボを採用した一部の自治体に申し込みが急増したのも影響している。

 

 東京都中央卸売市場・大田市場の6月中旬時点の卸値は1キロ1790円前後。入荷が少なかった前年同時期並み。同市場の6月第3週(10~16日)の入荷量は1日平均65トンで前年同時期比1割多い。大阪市中央卸売市場・本場では6月上旬の入荷量が36トンと前年同時期比5割増えた。山形県産や山梨県産の卸値は、ほぼ前年並みの1キロ1500~1800円前後。

 

 大田市場は入荷量の8割が山形産で、2割近くが山梨産、ほかに福島産もある。東京都内のスーパーの小売価格も、1パック(200グラム)500円前後で変わらない。

 

 産地が天候に恵まれ甘みが強くなった。代表品種の「佐藤錦」だけでなく、日持ちする「紅秀峰(べにしゅうほう)」も売れている。紅秀峰は佐藤錦よりも甘く、山形県で作付面積が広がった。「紅秀峰の増加がサクランボ人気を高めている」(寒河江市さくらんぼ観光課)との声もある。

 

 山形県の自治体は相次いでふるさと納税の返礼品にサクランボを採用した。東根市は昨年11月から今年6月までの申込件数が前年の3倍に増えた。

税務訴訟の件数半減 昨年度231件、04年度比 国税、調査ルール明確化で

日本経済新聞 朝刊 社会1(38ページ)
2016/6/21 3:30
 国税当局から所得隠しや申告漏れを指摘された企業や個人が、処分を不服として裁判で争う件数が減っている。国税庁は20日、2015年度に提起された訴訟(控訴や上告含む)は231件だったと発表した。前年度から6件減り、04年度(計552件)の半分以下だった。手続きが明確になったことなどが背景にある。


 内訳は所得税関連が85件、法人税関連が38件など。また国税不服審判所長に対する審査請求は2098件だった。過去最低だった前年度より3.3%増えたが、11年度(3581件)の6割程度の水準となっている。

 企業や個人が申告した所得や税額が少ないと、税務署長は追徴課税などの処分を下す。不服がある場合は再調査や国税不服審判所長への審査請求を経るなどし、最終的に訴訟となる。
 
 減少の背景にあるのは税務調査のルールの明確化だ。13年から調査対象や期間をあらかじめ伝えたり、処分理由を文書で伝えたりすることが法律で義務化された。以前は理由をはっきり書面で示さないまま追徴金額だけ示し、納得できない納税者が訴訟を起こすことも多かったという。

 税務訴訟に詳しい山下貴税理士は「改正後、税務調査が丁寧になった。1件の処理にかかる期間も長くなっている」と話す。鳥飼総合法律事務所の高田貴史・税務部長は「感情的な対立を基にした訴訟が減り、当局も法令解釈を巡る重要事案などに力を注げるようになった」と評価する。

 国税当局の態度の変化も指摘される。税務訴訟に詳しい弁護士は「大型税務訴訟の敗訴が続き、国税当局が慎重になっている」とみる。

 2月には東京国税局から申告漏れを指摘された日本IBMの持ち株会社が訴えた訴訟で約1200億円の課税を取り消す判決が確定。武富士(現在は更生会社TFK)創業者の親族への課税でも11年に国が敗訴し、利子を含め約2千億円の巨額還付となり話題を呼んだ。 訴訟の件数半減
昨年度231件、04年度比 国税、調査ルール明確化で

個人番号カードを受け取りました。

個人番号カード287 松戸市役所に行って、個人番号カードを受け取ってきました。このカードを申し込んだのは昨年であったので、交付までに半年を要したものである。

 さて、このカードが、政府の思い描くどおりの活躍をするのか、先輩である「住基カード」のように、はかない運命をたどるのか、興味津々である。納税者として、高い税金を使っているので、それに見合うだけの成果を期待したいものです。

 

脱税の摘発総額、41年ぶり低水準 昨年度138億円

日本経済新聞 朝刊 社会1(38ページ)
2016/6/15 3:30
 国税庁は14日、全国の国税局が2015年度に強制調査(査察)で摘発した脱税件数は181件(前年度比1件増)で、脱税総額は約138億円(同11億円減)だったと発表した。総額は123億円だった1974年度以来、41年ぶりの低水準。

 

 国税庁は脱税総額の減少などについて「査察事案は個別性が強く、特定の要因は説明できない」としているが、証拠書類の電子データ化や商取引の複雑化で調査が難しくなっていることが背景にあるとみられる。

 

 検察庁に告発した件数は115件、告発率は約63%だった。告発件数のうち、海外が関連する国際事案は28件で11年度以降では最多となった。海外で保有する株式の配当収入を除外したり、海外法人に対して架空経費を計上したりするケースがあった。

 

 全体の告発事件1件あたりの脱税額は9700万円で前年度の1億1000万円から減少した。脱税額が3億円以上は5件で、5億円以上は1件。業種別では建設や不動産業などが多かった。