役員退職金を支払う場合の相当と認められる額の目安は、在任年数などの変数を加味して次のような計算式で求めるのが一般的です。
役員最終報酬月額 × 役員在任年数 × 功績倍率
この功績倍率については、同業、類似規模の支給状況に照らして算出されますが、 役職別についてはおおむね次表の通りです。
区分 | 功績倍率 | |
実例問答式 | 産労総合研 | |
会長・社長 | 3.0 | 2.3~2.5 |
副社長 | 2.0~2.2 | |
専務 | 2.5 | 1.9~2.1 |
常務 | 2.2 | 1.8=2.0 |
取締役 | 1.8 | 1.5~1.8 |
監査役 | 1.8 | 1.5~1.8 |
実例問答式=役員と使用人の給与・賞与・退職金の税務(大蔵財務協会)
産労総合研=平成17年「役員報酬・賞与・退職慰労金」 (産労総合研究所)
なお、弔意金を支払う場合の目安は以下の通りです。
業務上による死亡=退職時の報酬月額(ボーナスを除く)×36ヶ月
業務外による死亡=退職時の報酬月額(ボーナスを除く)×6ヶ月
税務上、過大な役員退職金は損金算入できません。役員退職金も役員報酬同様、株主総会の決議によって決定されますが、その際、過大と判断されないような「役員退職慰労金規程」を制定しておくのが良いでしょう。規定がないと、総会で株主の中から反対者が出て、支払いが不可能になるなどの危険性があります。