(16) 修正申告により法人税額が増加する場合に、税額控除限度額を増加させることができるか。

(Update:H22.8.13)
 平成23年度税制改正において、「いわゆる当初申告要件及び適用額の制限の改正について」申告期限内に提出する確定申告書等(当初申告)において、その適用を受けるべき金額などを申告書に記載し、または書類を添付しない限り、後になってから更正の請求等では適用を受けることが出来ない、いわゆる当初申告要件が廃止され、当初申告で適用した金額を上限とする適用額制限も見直されました。

いわゆる当初申告要件及び適用額の制限の改正について

1.当初申告要件が廃止されたもの
 次に掲げるものについては、当初申告要件が廃止され、例えば、確定申告書等において制度の適用を受けていない場合であっても、修正申告書や更正請求書に適用を受けるべき金額など一定の事項を記載した書類を添付することにより、新たに制度の適用を受けることができることとなりました。

 (1) 受取配当等の益金不算入
 (2) 外国子会社から受ける配当等の益金不算入
 (3) 国等に対する寄附金、指定寄附金及び特定公益増進法人に対する寄附金の損金算入
 (4) 会社更生等による債務免除等があった場合の欠損金の損金算入
 (5) 協同組合等の事業分量配分等の損金算入
 (6) 所得税額控除
 (7) 外国税額控除
 (8) 公益社団法人又は公益財団法人の寄附金の損金算入限度額の特例
 (9) 引継対象外未処理欠損金額の計算に係る特例
 (10) 特定株主等によって支配された欠損等法人の欠損金の制限の5倍要件の判定の特例
 (11) 特定資産に係る譲渡等損失額の損金不算入の対象外となる資産の特例
 (12) 特定資産に係る譲渡等損失額の計算の特例


2.適用額制限が見直されたもの
 次に掲げるものについては、適用額の制限も見直され、これらの制度の適用を受ける金額については、確定申告書等だけでなく、修正申告書や更正請求書に添付された書類に適用を受ける金額として記載した金額を限度とすることとされました。

(1) 受取配当等の益金不算入
(2) 外国子会社から受ける配当等の益金不算入
(3) 国等に対する寄附金、指定寄附金及び特定公益増進法人に対する寄附金の損金算入
(4) 所得税額控除
(5) 外国税額控除

3.租税特別措置法における当初申告要件の存続と、適用額制限の見直しをされたもの
 例えば、試験研究を行った場合の法人税額の特別控除制度により控除される金額は、確定申告書等に添付された書類に記載される特定の事項である試験研究費の額及び特別試験研究費の額を基礎として計算される税額控除額が限度とされるため、当期の所得に対する法人税の額に変動があった場合には、修正申告又は更正の請求により適用を受ける金額を増額させることができることとなりました。

(1) 試験研究を行った場合の法人税額の特別控除
(2) 試験研究を行った場合の法人税額の特別控除の特例
(3) エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の法人税額の特別控除
(4) 中小企業者等が機械等を取得する場合の法人税額の特別控除
(5) 沖縄の特定地域において工業用機械等を取得した場合の法人税額の特別控除
(6) 沖縄の特定中小企業者が経営革新設備等を取得した場合の法人税額の特別控除
(7) 国際戦略総合特別区域において機械等を取得した場合の法人税額の特別控除
(8) 雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除
(9) 法人税の額から控除される特別控除額の特例

【適用時期】
 平成23年12月2日以後に確定申告書等の提出期限が到来する法人税について適用されます。


 (従前の取り扱い)

【Q】 法人税の申告に当たり、中小企業者等が機械等を取得した場合等の法人税額の特別控除の規定を適用した確定申告書を提出しましたが、税額控除額(取得価額の7%相当額)が法人税額の20%相当額を超えていたので法人税額の20%相当額を控除額としていました。
 この度、税務調査により売上計上漏れを指摘され、法人税額が増加することとなり修正申告を提出する予定ですが、税額控除における限度額(法人税の20%相当額)も増加する訳ですが、この増加した税額控除部分を修正申告における法人税額から控除してよろしいでしょうか。

【A】 中小企業者等が機械等を取得した場合等の法人税額の特別控除(措法42の6②③)の規定は、確定申告書等にこの規定による控除を受ける金額の記載があり、かつ、その金額の計算に関する明細書の添付がある場合に限り適用されることとなっています。
 また、この場合に控除される金額は、その申告に係る控除を受けるべき金額に限るものとされていますが、ここでいう「確定申告書等」とは、中間申告書及び確定申告書をいい、修正申告書は含まれません(措法2②27)。
 さらに、「控除を受けるべき金額」とは、その申告書に記載された事項を基礎として計算する場合に控除を受けることができる正当額をいうこととされています。

 したがって、控除を受けることができる金額の限度額は、確定申告書に記載された対象設備の金額や法人税額を基礎として計算される正当額をいうことになりますので、質問における修正申告において法人税額が増加することとなった場合においても、控除を受けることができる金額は増加しないことになります。
 なお、法人税申告書別表の計算誤り等により、実際の控除額が正当額より少なくなっているような場合には、その正当額を修正申告等により控除することができます。

 【措法】第2条 (用語の意義)
 2  第3章において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
27  確定申告書等 法人税法第2条第30号 に規定する中間申告書で同法第72条第1項 各号に掲げる事項を記載したもの及び同法第2条第31号 に規定する確定申告書をいう。

【措法】第42条の6 (中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除)
 9  第3項の規定は、供用年度以後の各事業年度の法人税法第2条第31号 に規定する確定申告書に同項に規定する繰越税額控除限度超過額の明細書の添付がある場合(第4項に規定する連結税額控除限度額を有する法人については、当該明細書の添付がある場合及び第68条の11第2項に規定する供用年度以後の各連結事業年度(当該供用年度以後の各事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該供用年度以後の各事業年度) の同法第2条第32号 に規定する連結確定申告書(当該供用年度以後の各事業年度にあつては、同条第31号 に規定する確定申告書) に第68条の11第3項 に規定する繰越税額控除限度超過額の明細書の添付がある場合) で、かつ、第3項の規定の適用を受けようとする事業年度の確定申告書等に、同項の規定による控除を受ける金額の申告の記載及び当該金額の計算に関する明細書の添付がある場合に限り、適用する。この場合において、同項の規定により控除される金額は、当該申告に係るその控除を受けるべき金額に限るものとする。


 

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