01.交際費等の範囲
(Update:H21.8.03)
税法上の交際費等の範囲は社会通念上の交際費の概念より幅広く定められており、基本的には次のとおりです(措法61の4③、措令37の5)
交際費の概念 | ||
費目 | 相手方 | 目的 |
交際費、接待費、機密費、その他の費用 |
得意先、仕入れ先その他事業に関係のある者等 |
接待、供応、慰安、贈答、その他これらに類する行為のために支出する費用 |
交際費から除かれる費用 | |
福利厚生費 | 専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用(措法61の4③一) |
飲食費 | 飲食その他これに類する行為のために要する費用で参加者1人当たり5,000円以下の費用(措法61の4③二、措令37の5①)(注1~5) |
少額広告宣伝費 | カレンダー、手帳、扇子、うちわ、手ぬぐいその他これに類する物品を贈与するために通常要する費用(措法61の4③三、措令37の5②一) |
会議費 | 会議に関して、茶菓、弁当其の他これに類する飲食物を供するために通常要する費用(措法61の4③三、措令37の5②二) |
取材費 | 新聞、雑誌等の出版物又は放送番組を編集するために行われる座談会其の他記事の収集のために、又は放送のために取材に要する費用(措法61の4③三、措令37の5②三) |
上記以外 |
主として次に掲げるような性質を有するもの(措通61の4(1)-1) ○寄附金、○値引き、割戻し、○広告宣伝費、○福利厚生費、○給与等 |
(注1) 専ら法人の役員若しくは従業員又はこれらの親族に対する等のために支出するものは除かれます。
(注2) この取扱いは、次に掲げる事項を記載した書類を保存している場合に限り適用されます。
① その飲食のあった年月日
② 得意先等の氏名等
③ 参加した者の数
④ 飲食店等の名称及び所在地
(注3) 得意先等の従業員等によって飲食されることが想定される弁当等の差し入れを含みます。また、中元、歳暮等で飲食物の詰め合わせ等を贈答する費用も含めて差し支えありません。
(注4) 法人が費用を分担又は負担した場合には、その費用総額を参加した者の数で除して計算した金額が5,000円以下であるときに交際費等から除かれます。ただし、その費用の総額の通知がなく、かつ、その飲食等に要する1人当たりの費用がおおむね5,000円程度に止まると想定される場合には、その分担又は負担した金額をもって判定して差し支えありません。
(注5) この取扱いはH18.4.1以後開始する事業年度から適用されます。
02.交際費等に含まれる費用の例示
(交際費等に含まれる費用の例示)
措通61の4(1)-15 次のような費用は、原則として交際費等の金額に含まれるものとする。ただし、措置法第61条の4第3項第2号の規定の適用を受ける費用を除く。(昭52年直法2-33「36」、昭54年直法2-31「十九」、昭55年直法2-15「十三」、平6年課法2-5「三十一」、平7年課法2-7「二十八」、平19年課法2-3「三十七」、平20年課法2-1「二十七」により改正)
(注) 進水式、起工式、落成式等の式典の祭事のために通常要する費用は、交際費等に該当しない。
(注) これらの取引関係を結ぶために相手方である事業者に対して金銭又は事業用資産を交付する場合のその費用は、交際費等に該当しない。
(注) 周辺の住民が受ける日照妨害、風害、電波障害等による損害を補償するために当該住民に交付する金品は、交際費等に該当しない。
(注) その進出に関連して支出するものであっても、主として地方公共団体等に対する寄附金の性質を有するもの及び令第14条第1項第6号イに掲げる費用の性質を有するものは、交際費等に該当しない。
★ビル建設に伴う住民対策費は、交際費等となるものでも建設原価に含まれます。
(借)建物 ***** (貸)現預金 *****
として処理した後、別表15で支出交際費等の計算を行います。
(借)現金 ***** (貸)雑収入 *****
と処理します。
03.交際費から除かれる費用の例示
(交際費等の意義)
措通61の4(1)-1 措置法第61条の4第3項に規定する「交際費等」とは、交際費、接待費、機密費、その他の費用で法人がその得意先、仕入先その他事業に関係ある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するものをいうのであるが、主として次に掲げるような性質を有するものは交際費等には含まれないものとする。(昭57年直法2-11「十一」、平6年課法2-5「三十一」により改正)
(1) 寄附金
(2) 値引き及び割戻し
(3) 広告宣伝費
(4) 福利厚生費
(5) 給与等
福利厚生費 | 専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用(措法61の4③一) |
飲食費 | 飲食その他これに類する行為のために要する費用で参加者1人当たり5,000円以下の費用(措法61の4③二、措令37の5①)(注1~5) |
少額広告宣伝費 | カレンダー、手帳、扇子、うちわ、手ぬぐいその他これに類する物品を贈与するために通常要する費用(措法61の4③三、措令37の5②一) |
会議費 | 会議に関して、茶菓、弁当其の他これに類する飲食物を供するために通常要する費用(措法61の4③三、措令37の5②二) |
取材費 | 新聞、雑誌等の出版物又は放送番組を編集するために行われる座談会其の他記事の収集のために、又は放送のために取材に要する費用(措法61の4③三、措令37の5②三) |
上記以外 |
主として次に掲げるような性質を有するもの(措通61の4(1)-1) ○寄附金、○値引き、割戻し、○広告宣伝費、○福利厚生費、○給与等 |
(注2) この取扱いは、次に掲げる事項を記載した書類を保存している場合に限り適用されます。
② 得意先等の氏名等
③ 参加した者の数
④ 飲食店等の名称及び所在地
(注4) 法人が費用を分担又は負担した場合には、その費用総額を参加した者の数で除して計算した金額が5,000円以下であるときに交際費等から除かれます。ただし、その費用の総額の通知がなく、かつ、その飲食等に要する1人当たりの費用がおおむね5,000円程度に止まると想定される場合には、その分担又は負担した金額をもって判定して差し支えありません。
(注5) この取扱いはH18.4.1以後開始する事業年度から適用されます。
措法第61条の4 法人が平成18年4月1日から平成22年3月31日までの間に開始する各事業年度(清算中の各事業年度を除く。)において支出する交際費等の額(当該事業年度終了の日における資本金の額又は出資金の額(資本又は出資を有しない法人その他政令で定める法人にあつては、政令で定める金額)が1億円以下である法人については、当該交際費等の額のうち次に掲げる金額の合計額)は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
◆1 当該交際費等の額のうち400万円(平成21年4月1日以後終了する事業年度から600万円)に当該事業年度の月数を乗じてこれを12で除して計算した金額(次号において「定額控除限度額」という。)に達するまでの金額の100分の10に相当する金額
◆2 当該交際費等の額が定額控除限度額を超える場合におけるその超える部分の金額
◆1 専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用
◆2 飲食その他これに類する行為のために要する費用(専ら当該法人の法人税法第2条第15号に規定する役員若しくは従業員又はこれらの親族に対する接待等のために支出するものを除く。)であつて、その支出する金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額が政令で定める金額以下の費用
◆3 前2号に掲げる費用のほか政令で定める費用
(交際費等の範囲)
措令第37条の5 法第61条の4第3項第2号に規定する政令で定めるところにより計算した金額は、同号に規定する飲食その他これに類する行為のために要する費用として支出する金額を当該費用に係る飲食その他これに類する行為に参加した者の数で除して計算した金額とし、同号に規定する政令で定める金額は、5000円とする。
◆1 カレンダー、手帳、扇子、うちわ、手ぬぐいその他これらに類する物品を贈与するために通常要する費用
◆2 会議に関連して、茶菓、弁当その他これらに類する飲食物を供与するために通常要する費用
◆3 新聞、雑誌等の出版物又は放送番組を編集するために行われる座談会その他記事の収集のために、又は放送のための取材に通常要する費用
04.交際費等に該当しない費用
(1) 災害の場合の取引先に対する売掛債権の免除等
措通61の4(1)-10の2 法人が、災害を受けた得意先等の取引先(以下61の4(1)-10の3までにおいて「取引先」という。)に対してその復旧を支援することを目的として災害発生後相当の期間(災害を受けた取引先が通常の営業活動を再開するための復旧過程にある期間をいう。以下61の4(1)-10の3において同じ。)内に売掛金、未収請負金、貸付金その他これらに準ずる債権の全部又は一部を免除した場合には、その免除したことによる損失は、交際費等に該当しないものとする。
既に契約で定められたリース料、貸付利息、割賦販売に係る賦払金等で災害発生後に授受するものの全部又は一部の免除を行うなど契約で定められた従前の取引条件を変更する場合及び災害発生後に新たに行う取引につき従前の取引条件を変更する場合も、同様とする。(平7年課法2-7「二十八」により追加)
(注) 「得意先等の取引先」には、得意先、仕入先、下請工場、特約店、代理店等のほか、商社等を通じた取引であっても価格交渉等を直接行っている場合の商品納入先など、実質的な取引関係にあると認められる者が含まれる。
措通61の4(1)-10の3 法人が、被災前の取引関係の維持、回復を目的として災害発生後相当の期間内にその取引先に対して行った災害見舞金の支出又は事業用資産の供与若しくは役務の提供のために要した費用は、交際費等に該当しないものとする。(平7年課法2-7「二十八」により追加、平10年課法2-7「四」、平19年課法2-3「三十七」により改正)
(注)1 自社の製品等を取り扱う小売業者等に対して災害により滅失又は損壊した商品と同種の商品を交換又は無償で補てんした場合も、同様とする。
措通61の4(1)-10の4 法人が不特定又は多数の被災者を救援するために緊急に行う自社製品等の提供に要する費用は、交際費等に該当しないものとする。(平7年課法2-7「二十八」により追加)
(2) 現地案内等に要する費用
措通61の4(1)-17 次に掲げる費用は、販売のために直接要する費用として交際費等に該当しないものとする。(昭50年直法2-21「41」、昭52年直法2-33「37」、昭54年直法2-31「十九」、平6年課法2-5「三十一」により改正)
措通61の4(1)-18 次に掲げる費用は、業務委託のために要する費用等として交際費等に該当しないものとする。(昭52年直法2-33「38」により追加、昭54年直法2-31「十九」、平6年課法2-5「三十一」、平7年課法2-7「二十八」、平19年課法2-3「三十七」により改正)
措通61の4(1)-19 建物、プラント、船舶等の建設請負等をした建設業者又は製造業者が、その発注者に対して商慣行として当該建設請負等の目的物の模型を交付するために通常要する費用は、交際費等に含まれないものとする。(昭52年直法2-33「38」により追加、平6年課法2-5「三十一」により改正)
05.交際費等の要件
(1) 交際費等の支出の相手方の範囲
措通61の4(1)-22 措置法第61条の4第3項に規定する「得意先、仕入先その他事業に関係のある者等」には、直接当該法人の営む事業に取引関係のある者だけでなく間接に当該法人の利害に関係ある者及び当該法人の役員、従業員、株主等も含むことに留意する。(昭57年直法2-11「十一」、平6年課法2-5「三十一」により改正)
(2) 交際費等の支出の方法
措通61の4(1)-23 措置法第61条の4第3項に規定する法人の支出する交際費等は、当該法人が直接支出した交際費等であると間接支出した交際費等であるとを問わないから、次の点に留意する。(昭57年直法2-11「十一」、平6年課法2-5「三十一」、平19年課法2-3「三十七」により改正)
② 同業者の団体等が接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為をしてその費用を法人が負担した場合においても、交際費等の支出があったものとする。
③ 法人が団体等に対する会費その他の経費を負担した場合においても、当該団体が専ら団体相互間の懇親のための会合を催す等のために組織されたと認められるものであるときは、その会費等の負担は交際費等の支出があったものとする。
(注) 措置法令第37条の5第1項に規定する「飲食その他これに類する行為のために要する費用として支出する金額」とは、その飲食等のために要する費用の総額をいう。
したがって、措置法第61条の4第3項第2号の規定の適用に当たって、例えば、本文の(1)又は(2)の場合におけるこれらの法人の分担又は負担した金額については、その飲食等のために要する費用の総額を当該飲食等に参加した者の数で除して計算した金額が5,000円以下であるときに、同号の規定の適用があることに留意する。
ただし、分担又は負担した法人側に当該費用の総額の通知がなく、かつ、当該飲食等に要する1人当たりの費用の金額がおおむね5,000円程度に止まると想定される場合には、当該分担又は負担した金額をもって判定して差し支えない。
06.交際費等の損金不算入額について
この改正は、平成26年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。
損金不算入額等 | ||
H21.4.1以後 終了事業年度 |
H25.4.1以後 開始事業年度 |
H26.4.1以後 開始事業年度 |
(1) 期末資本金1億円超の法人
【支出交際費等の全額】が損金不算入
|
(1) 期末資本金1億円超の法人
【支出交際費等の全額】が損金不算入
|
(1) 期末資本金1億円超の法人
【交際費等の額のうち、接待飲食費の額の50%に相当する金額】が損金算入できる。
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(2) 期末資本金1億円以下の法人
【年600万円を超える部分+年600万円以下の部分×10%】が損金不算入
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(2) 期末資本金1億円以下の法人
【年800万円を超える部分】が損金不算入
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(2) 期末資本金1億円以下の法人
A 上記の接待飲食費の額の50%に相当する金額
B 定額控除限度額(年800万円)
【AとBのいずれか多い金額】が損金算入できる
|
(注)平成18年度の改正により、交際費等の範囲から、1人当たり5,000円以下の一定の飲食費が除外されました。 |
(資本金の額又は出資金の額に準ずるものの範囲等)
措令第37条の4 法第61条の4第1項に規定する政令で定める法人は、法人税法第2条第6号に規定する公益法人等(以下この条において「公益法人等」という。)、人格のない社団等及び外国法人とし、同項に規定する政令で定める金額は、次の各号に掲げる法人の区分に応じ、当該各号に定める金額とする。
◆1 資本又は出資を有しない法人(第3号から第5号までに掲げるものを除く。) 当該事業年度終了の日における貸借対照表(確定した決算に基づくものに限る。以下この条において同じ。)に計上されている総資産の帳簿価額から当該貸借対照表に計上されている総負債の帳簿価額を控除した金額(当該貸借対照表に、当該事業年度に係る利益の額が計上されているときは、その額を控除した金額とし、当該事業年度に係る欠損金の額が計上されているときは、その額を加算した金額とする。)の100分の60に相当する金額
◆2 公益法人等又は人格のない社団等(次号から第5号までに掲げるものを除く。) 当該事業年度終了の日における資本金の額又は出資金の額に同日における総資産の価額のうちに占めるその営む法人税法第2条第13号に規定する収益事業(以下この条において「収益事業」という。)に係る資産の価額の割合を乗じて計算した金額
◆3 資本又は出資を有しない公益法人等又は人格のない社団等(第5号に掲げるものを除く。) 当該事業年度終了の日における貸借対照表につき第1号の規定に準じて計算した金額に同日における総資産の価額のうちに占めるその営む収益事業に係る資産の価額の割合を乗じて計算した金額
◆4 外国法人(次号に掲げるものを除く。) 当該事業年度終了の日における資本金の額又は出資金の額に同日における総資産の価額のうちに占める国内にある資産(公益法人等又は人格のない社団等に該当するものにあつては、国内において行う収益事業に係るものに限る。)の価額の割合を乗じて計算した金額
◆5 資本又は出資を有しない外国法人 当該事業年度終了の日における貸借対照表につき第1号の規定に準じて計算した金額に同日における総資産の価額のうちに占める国内にある資産(公益法人等又は人格のない社団等に該当するものにあつては、国内において行う収益事業に係るものに限る。)の価額の割合を乗じて計算した金額
07.原価に算入された交際費等の調整
(Update:H21.8.03)
法人が支出した交際費等の金額を固定資産及び棚卸資産等の取得価額等に含めたため、直接その事業年度の損金の額に算入されていない金額があるときは、結果として二重に損金算入の部分が生じることとなります。
そこで、これらを調整するためにその事業年度の確定申告において、その原価算入額のうち損金不算入からなる部分の金額を限度として、その事業年度終了の時における固定資産及び棚卸資産の取得価額等を減額する必要があります。
(取得価額から減額できる金額)=(交際費等の損金不算入額)×(取得価額に含まれている交際費等の金額)/(支出交際費等の金額) |
(交際費等の支出の意義)
措通61の4(1)-24 措置法第61条の4第1項に規定する各事業年度において支出した交際費等とは、交際費等の支出の事実があったものをいうのであるから、次の点に留意する。(平6年課法2-5「三十一」により改正)
(2) 交際費等の支出の事実のあったときとは、接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のあったときをいうのであるから、これらに要した費用につき仮払又は未払等の経理をしているといないとを問わないものとする。
措通61の4(2)-7 法人が支出した交際費等の金額のうちに棚卸資産若しくは固定資産の取得価額又は繰延資産の金額(以下61の4(2)-7において「棚卸資産の取得価額等」という。)に含めたため直接当該事業年度の損金の額に算入されていない部分の金額(以下61の4(2)-7において「原価算入額」という。)がある場合において、当該交際費等の金額のうちに措置法第61条の4第1項の規定により損金の額に算入されないこととなった金額(以下61の4(2)-7において「損金不算入額」という。)があるときは、当該事業年度の確定申告書において、当該原価算入額のうち損金不算入額から成る部分の金額を限度として、当該事業年度終了の時における棚卸資産の取得価額等を減額することができるものとする。この場合において、当該原価算入額のうち損金不算入額から成る部分の金額は、当該損金不算入額に、当該事業年度において支出した交際費等の金額のうちに当該棚卸資産の取得価額等に含まれている交際費等の金額の占める割合を乗じた金額とすることができる。(昭55年直法2-15「十三」、昭58年直法2-3、平5年課法2-1「二十」、平6年課法2-5「三十一」、平15年課法2-7「五十七」により改正)
08.使途秘匿金課税
(Update:H21.8.03)
(費途不明の交際費等)
法基通9-7-20 法人が交際費、機密費、接待費等の名義をもって支出した金銭でその費途が明らかでないものは、損金の額に算入しない。(昭46年直審(法)20「9」、昭55年直法2-15「十六」により改正)
(使途秘匿金の支出がある場合の課税の特例)
措置法第六十二条 法人(法人税法第二条第五号 に規定する公共法人を除く。以下この項において同じ。)は、その使途秘匿金の支出について法人税を納める義務があるものとし、法人が平成六年四月一日から平成二十二年三月三十一日までの間に使途秘匿金の支出をした場合には、当該法人に対して課する各事業年度の所得に対する法人税の額又は解散(合併による解散を除く。)をした場合における清算所得(当該法人が同法第九十二条第一項 に規定する内国普通法人等である場合の清算所得に限る。)に対する法人税の額は、同法第六十六条第一項 から第三項 まで(これらの規定を同法第百二条第一項第二号 において適用するものとする場合を含む。)、第九十九条並びに第百四十三条第一項及び第二項並びに第四十二条の四第十一項(第四十二条の四の二第七項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)、第四十二条の五第五項、第四十二条の六第五項、第四十二条の七第七項、第四十二条の九第四項、第四十二条の十第五項、第四十二条の十一第五項、第六十二条の三第一項及び第八項、第六十三条第一項、第六十七条の二第一項並びに第六十八条第一項その他法人税に関する法令の規定にかかわらず、これらの規定により計算した法人税の額に、当該使途秘匿金の支出の額に百分の四十の割合を乗じて計算した金額を加算した金額とする。
2 前項に規定する使途秘匿金の支出とは、法人がした金銭の支出(贈与、供与その他これらに類する目的のためにする金銭以外の資産の引渡しを含む。以下この条において同じ。)のうち、相当の理由がなく、その相手方の氏名又は名称及び住所又は所在地並びにその事由(以下この条において「相手方の氏名等」という。)を当該法人の帳簿書類に記載していないもの(資産の譲受けその他の取引の対価の支払としてされたもの(当該支出に係る金銭又は金銭以外の資産が当該取引の対価として相当であると認められるものに限る。)であることが明らかなものを除く。)をいう。
3 税務署長は、法人がした金銭の支出のうちにその相手方の氏名等を当該法人の帳簿書類に記載していないものがある場合においても、その記載をしていないことが相手方の氏名等を秘匿するためでないと認めるときは、その金銭の支出を第一項に規定する使途秘匿金の支出に含めないことができる。
09-01寄附金と交際費等との区分
(Update:H21.8.03)
支出の形態等 | 贈与の方法 | 取扱い | |
事業に直接関係ないものに対する贈与 | 社会事業団体、政治団体に対する拠金、神社の祭礼等の寄贈金 | 金銭 | 寄附金 |
物品等 | |||
上記以外のもの | 金銭 | 原則寄附金 | |
物品等 | 寄附金又は交際費等 |
★政治家に対する献金は、原則寄附金となります。
★社会事業団体等への寄附でも、直接取引関係があれば交際費等となります。
(寄附金と交際費等との区分)
措通61の4(1)-2 事業に直接関係のない者に対して金銭、物品等の贈与をした場合において、それが寄附金であるか交際費等であるかは個々の実態により判定すべきであるが、金銭でした贈与は原則として寄附金とするものとし、次のようなものは交際費等に含まれないものとする。(平6年課法2-5「三十一」により改正)
(1) 社会事業団体、政治団体に対する拠金
(2) 神社の祭礼等の寄贈金
09-02.売上割戻し等と交際費等との区分
(Update:H21.8.03)
支出の形態等 | 取扱い | |||
得意先である事業者に対する供与 (売上高、売掛金の回収に比例(又は売上高の一定額ごと)) |
金銭 | 売上割戻し | ||
物品 | 事業用資産(注1) | |||
その他の資産 | 少額物品(注2、注3) | |||
その他(注4) | 交際費等 | |||
旅行、観劇等の招待(注5) | ||||
景品 | 少額物品(注2) | 製造業者等が景品の種類、金額を確認できるもの | 販売促進費等 | |
確認できないもの | 交際費等 | |||
上記以外のもの |
★特殊事情や協力度合いなど合理的基準があれば、割戻し率が一定でなくとも、交際費等には該当しません。
★メーカーが卸売業者を飛び越して直接小売業者に支払う場合でも、売上割戻しの実態に即していれば交際費等には該当しません。
★支払先が少数であっても、売上割戻しであれば交際費等には該当しません。
(注1) 事業用資産とは、得意先において棚卸資産又は固定資産として販売し又は使用すことが明らかな物品をいいます。たとえば、テレビは一般的に社内に設置される場合もあり普遍性があるために事業用資産といえるでしょうが、ピアノは通常は業務用とはいえないので、これを交付した場合には交際費等となります。
(注2) 少額物品とは、おおむね3,000円以下である物品をいいます。
(注3) ビール券、図書券等のように引換え物品の種類が特定されているものについては、その券面金額により判定します。
(注4) 商品券、お買物券等のように引換物品の種類が特定されていない商品引換券等(たとえ額面が3,000円以下であっても)を交付する費用は交際費等に該当します。
(注5) 売上割戻等を積み立てて、一定額に達した場合に、その積立額により得意先等を旅行、観劇等に招待することとしているときは、その招待した日を含む事業年度において交際費等として支出したものとされます。
(売上割戻し等と交際費等との区分)
措通61の4(1)-3 法人がその得意先である事業者に対し、売上高若しくは売掛金の回収高に比例して、又は売上高の一定額ごとに金銭で支出する売上割戻しの費用及びこれらの基準のほかに得意先の営業地域の特殊事情、協力度合い等を勘案して金銭で支出する費用は、交際費等に該当しないものとする。(平6年課法2-5「三十一」により改正)
(注) 「得意先である事業者に対し金銭を支出する」とは、得意先である企業自体に対して金銭を支出することをいうのであるから、その金額は当該事業者の収益に計上されるものである。
(売上割戻し等と同一の基準により物品を交付し又は旅行、観劇等に招待する費用)
措通61の4(1)-4 法人がその得意先に対して物品を交付する場合又は得意先を旅行、観劇等に招待する場合には、たとえその物品の交付又は旅行、観劇等への招待が売上割戻し等と同様の基準で行われるものであっても、その物品の交付のために要する費用又は旅行、観劇等に招待するために要する費用は交際費等に該当するものとする。ただし、物品を交付する場合であっても、その物品が得意先である事業者において棚卸資産若しくは固定資産として販売し若しくは使用することが明らかな物品(以下「事業用資産」という。)又はその購入単価が少額(おおむね3,000円以下)である物品(以下61の4(1)-5において「少額物品」という。)であり、かつ、その交付の基準が61の4(1)-3の売上割戻し等の算定基準と同一であるときは、これらの物品を交付するために要する費用は、交際費等に該当しないものとすることができる。(昭54年直法2-31「十九」、平6年課法2-5「三十一」により改正)
(景品引換券付販売等により得意先に対して交付する景品の費用)
措通61の4(1)-5 製造業者又は卸売業者が得意先に対しいわゆる景品引換券付販売又は景品付販売により交付する景品については、その景品(引換券により引き換えられるものについては、その引き換えられる物品をいう。)が少額物品であり、かつ、その種類及び金額が当該製造業者又は卸売業者で確認できるものである場合には、その景品の交付のために要する費用は交際費等に該当しないものとすることができる。(昭54年直法2-31「十九」、平6年課法2-5「三十一」により改正)
(注) 景品引換券付販売に係る景品の交付に要する費用を基本通達9-7-3により未払金に計上している場合においても、当該費用が交際費等に該当するかどうかは、実際に景品を交付した事業年度においてこの通達を適用して判定することとし、交際費等に該当するものは当該事業年度の交際費等の額に含めて損金不算入額を計算する。
(売上割戻し等の支払に代えてする旅行、観劇等の費用)
措通61の4(1)-6 法人が、その得意先に対して支出する61の4(1)-3に該当する売上割戻し等の費用であっても、一定額に達するまでは現実に支払をしないで預り金等として積み立て、一定額に達した場合に、その積立額によりその得意先を旅行、観劇等に招待することとしているときは、その預り金等として積み立てた金額は、その積み立てた日を含む事業年度の所得の金額(その事業年度が連結事業年度に該当する場合には、当該連結事業年度の連結所得の金額)の計算上損金の額に算入しないで、旅行、観劇等に招待した日を含む事業年度において交際費等として支出したものとする。(昭54年直法2-31「十九」、平6年課法2-5「三十一」、平15年課法2-7「五十七」により改正)
(注) この場合に、たまたまその旅行、観劇等に参加しなかった得意先に対し、その預り金等として積み立てた金額の全部又は一部に相当する金額を支払ったとしても、その支払った金額は交際費等に該当する。
09-03.広告宣伝費と交際費等との区分
(Update:H21.8.03)
支出の形態等 | 取扱い | |
多数の者に対し、主として広告宣伝効果を意図して交付する物品で少額なもの | カレンダー、手帳、扇子、うちわ、手ぬぐいその他これらに類する物品を贈与するために通常要する費用 | 広告宣伝費 |
不特定多数の者に対し、宣伝効果等を意図する金品の交付等 | 小売業者が、商品の購入をした一般消費者に対し交付する景品の費用 | |
一般の工場見学者等に製品の試飲、試食させる費用 | ||
製造業者等が自己の製品等のモニター等に対し交付する金品のために通常要する費用 | ||
製造業者等が抽選等により一般消費者を旅行、観劇等へ招待する費用など | ||
特定の者に対し、広告宣伝効果というよりは、贈答、謝礼を意図する金品の交付等 | 交際費等 |
次の②に掲げるものは、①の製造業者等にとって一般消費者に該当しないので留意してください。 | ||
①製造業者等 | ②一般消費者に該当しない者 | ③一般消費者に該当する者 |
医薬品の製造業者又は販売業者 | 医師又は病院 | 患者等 |
化粧品の製造業者又は販売業者 | 美容業者又は理容業者 | 利用者 |
建築材料の製造業者又は販売業者 | 大工、左官等の建築業者 | 施主 |
飼料、肥料等の農業用資材の製造業者又は販売業者 | 農家 | 消費者 |
機械又は工具の製造業者又は販売業者 | 鉄工業者 | 購買者 |
★プロ野球のボックスシートの購入は、その支出目的が得意先に対する配布にあるのであれば、不特定多数の者に対する宣伝効果を期待したものではなく、シートに記載されている社名も小型で入場者の目安に過ぎず、広告宣伝効果を意図したものとは認められないとして、交際費等に該当する(S46.6.12裁決)。
★開店祝いに贈呈した花輪等は、広告宣伝の目的があったとしても、それは二次的なもので、通常交際費となります(H9.11.28最高裁)。
★レセプションの開催費用は広告宣伝費となり(S44.11.27東京地裁)、オートオークションの景品費用は交際費となります(H4.9.30横浜地裁)。
★車のディーラーが、新車購入者に対して「株式ファンド」(5,000円相当)をプレゼントするための費用は広告宣伝費となります(H17.3.9名古屋国税局)。
(広告宣伝費と交際費等との区分)
措通61の4(1)-9 不特定多数の者に対する宣伝的効果を意図するものは広告宣伝費の性質を有するものとし、次のようなものは交際費等に含まれないものとする。(昭52年直法2-33「34」、昭54年直法2-31「十九」、平6年課法2-5「三十一」により改正)
(1) 製造業者又は卸売業者が、抽選により、一般消費者に対し金品を交付するために要する費用又は一般消費者を旅行、観劇等に招待するために要する費用
(2) 製造業者又は卸売業者が、金品引換券付販売に伴い、一般消費者に対し金品を交付するために要する費用
(3) 製造業者又は販売業者が、一定の商品等を購入する一般消費者を旅行、観劇等に招待することをあらかじめ広告宣伝し、その購入した者を旅行、観劇等に招待する場合のその招待のために要する費用
(4) 小売業者が商品の購入をした一般消費者に対し景品を交付するために要する費用
(5) 一般の工場見学者等に製品の試飲、試食をさせる費用(これらの者に対する通常の茶菓等の接待に要する費用を含む。)
(6) 得意先等に対する見本品、試用品の供与に通常要する費用
(7) 製造業者又は卸売業者が、自己の製品又はその取扱商品に関し、これらの者の依頼に基づき、継続的に試用を行った一般消費者又は消費動向調査に協力した一般消費者に対しその謝礼として金品を交付するために通常要する費用
(注) 例えば、医薬品の製造業者(販売業者を含む。以下61の4(1)-9において同じ。)における医師又は病院、化粧品の製造業者における美容業者又は理容業者、建築材料の製造業者における大工、左官等の建築業者、飼料、肥料等の農業用資材の製造業者における農家、機械又は工具の製造業者における鉄工業者等は、いずれもこれらの製造業者にとって一般消費者には当たらない。
(カレンダー、手帳等に類する物品の範囲)
措通61の4(1)-20 措置法令第37条の5第2項第1号に規定する「これらに類する物品」とは、多数の者に配付することを目的とし主として広告宣伝的効果を意図する物品でその価額が少額であるものとする。(平6年課法2-5「三十一」、平19年課法2-3「三十七」により改正)
09-04.福利厚生費と交際費等との区分
(Update:H21.8.03)
支出の形態及び内容 | 取扱い | |||
創立記念日、国民祝日、新社屋落成等の祝賀会 | 式典の祭事のために通常要する費用 | 雑費等 | ||
宴会費、記念品代等の費用 | 従業員等以外の者に供与する飲食に要する費用で1人当たり5,000円以下のもの | |||
従業員等におおむね一律に社内で供与する通常の飲食に要する費用(注1) | 福利厚生費 | |||
上記以外のもの | 交際費等 | |||
慶弔、禍福 | 得意先等社外の者に対し支出する費用 | 下記以外のもの | 下記以外のもの | |
下請企業の従業員等に対する見舞金等(注2) | 雑費等 | |||
被災した取引先に対する売掛債権の免除、災害見舞金等 | ||||
不特定多数の被災者に対し緊急に行う自社製品等の提供 | ||||
従業員等に対し一定の基準に従って支給する金品(注3) | 福利厚生費 | |||
自己又は特約店等に専属するセールスマン等(注4) | 取扱数量又は取扱い金額に応じ、あらかじめ定められているところにより交付する金品の費用(注5) | 交際費等以外の費用 | ||
本人又はその親族等の慶弔、禍福に際し、一定の基準に従って交付する金品の費用 | ||||
慰安のために行われる運動会、園芸界、旅行等のために通常要する費用 | ||||
特定のセールスマンだけを対象にした慰安旅行等 | 交際費等 |
★式典の招待客に記念品として交付する費用は、原則として少額(3,000円以下)でも交際費等に該当します。
★新社屋落成に当たり、取引先等を招待してホテル等で披露パーティーを行う場合のその招待に係る費用は交際費になりますが、併せて招待した従業員に係る費用も交際費等となります。従業員に係る費用が福利厚生費となるには、社内の者だけを対象に従業員が一律に参加でき、金額が通常社内で行う程度である、という要件を満たす必要があります(H6.2.8最高裁)。
★災害見舞金とは例示であり、一定の基準に従って支給されるものである限り、慶弔禍福のすべてについて交際費等にはなりません。
★被災者に提供される自社製品等とは、自社の社名が付された製品だけでなく、法人が他から購入した物品でも、法人の企業イメージがアップされるなど、実質的な宣伝効果を伴うものであれば交際費等には該当しません。
★自社製品等の提供には、物品の提供だけでなくサービスの提供や法人の所有する研修所や社宅などの固定資産の提供も含まれます。
★特定のセールスマンだけを対象にした慰安旅行の費用は交際費等となります。
(注1) 社外で行う場合であっても、飲食に要する費用の程度が社内で行う場合と同程度のものであるときには、従業員を対象とするものである限り、その費用は福利厚生費として取り扱われます。
(注2) 下請企業の従業員等のために支出する次の費用は、交際費等に該当しない。
① 自社の工場内、現場等で災害を受けた者に、自社の従業員等に準じて支出した見舞金
② 自社の工場内、現場等で無事故等の記録達成による表彰金品で、経常的業務に従事している下請企業の従業員等に、自社の従業員等とおおむね同一の基準より支給する費用
③ 集金員、ガードマンなど、自社の業務の特定部分を継続的に請け負わせている他の企業の従業員等を、自社の運動会、演芸会等で慰安するために通常要する費用
④ 自社の従業員等と同等の事情にある専属下請先の従業員等又はその親族等の慶弔、禍福に際し一定の基準に従って支給する金品の費用
(注3) 従業員等には、従業員等の親族、退職者及びその親族が含まれます。
(注4) セールスマンは、その報酬につき所得税法第204条の規定の適用を受ける者に限られます。
(注5) ここに掲げる費用については、「特約店等の従業員等」の外交販売に係るものも同様に取り扱われます。また、その金品の交付の際には、報酬料金として所得税の源泉徴収が必要です。
(福利厚生費と交際費等との区分)
措通61の4(1)-10 社内の行事に際して支出される金額等で次のようなものは交際費等に含まれないものとする。(昭52年直法2-33「35」、昭54年直法2-31「十九」、平6年課法2-5「三十一」、平19年課法2-3「三十七」により改正)
(1) 創立記念日、国民祝日、新社屋落成式等に際し従業員等におおむね一律に社内において供与される通常の飲食に要する費用
(2) 従業員等(従業員等であった者を含む。)又はその親族等の慶弔、禍福に際し一定の基準に従って支給される金品に要する費用
(災害の場合の取引先に対する売掛債権の免除等)
措通61の4(1)-10の2 法人が、災害を受けた得意先等の取引先(以下61の4(1)-10の3までにおいて「取引先」という。)に対してその復旧を支援することを目的として災害発生後相当の期間(災害を受けた取引先が通常の営業活動を再開するための復旧過程にある期間をいう。以下61の4(1)-10の3において同じ。)内に売掛金、未収請負金、貸付金その他これらに準ずる債権の全部又は一部を免除した場合には、その免除したことによる損失は、交際費等に該当しないものとする。
既に契約で定められたリース料、貸付利息、割賦販売に係る賦払金等で災害発生後に授受するものの全部又は一部の免除を行うなど契約で定められた従前の取引条件を変更する場合及び災害発生後に新たに行う取引につき従前の取引条件を変更する場合も、同様とする。(平7年課法2-7「二十八」により追加)
(注) 「得意先等の取引先」には、得意先、仕入先、下請工場、特約店、代理店等のほか、商社等を通じた取引であっても価格交渉等を直接行っている場合の商品納入先など、実質的な取引関係にあると認められる者が含まれる。
(取引先に対する災害見舞金等)
措通61の4(1)-10の3 法人が、被災前の取引関係の維持、回復を目的として災害発生後相当の期間内にその取引先に対して行った災害見舞金の支出又は事業用資産の供与若しくは役務の提供のために要した費用は、交際費等に該当しないものとする。(平7年課法2-7「二十八」により追加、平10年課法2-7「四」、平19年課法2-3「三十七」により改正)
(注)1 自社の製品等を取り扱う小売業者等に対して災害により滅失又は損壊した商品と同種の商品を交換又は無償で補てんした場合も、同様とする。
2 事業用資産には、当該法人が製造した製品及び他の者から購入した物品で、当該取引先の事業の用に供されるもののほか、当該取引先の福利厚生の一環として被災した従業員等に供与されるものを含むものとする。
3 取引先は、その受領した災害見舞金及び事業用資産の価額に相当する金額を益金の額に算入することに留意する。ただし、受領後直ちに福利厚生の一環として被災した従業員等に供与する物品並びに令第133条に規定する使用可能期間が1年未満であるもの及び取得価額が10万円未満のものについては、この限りでない。
(自社製品等の被災者に対する提供)
措通61の4(1)-10の4 法人が不特定又は多数の被災者を救援するために緊急に行う自社製品等の提供に要する費用は、交際費等に該当しないものとする。(平7年課法2-7「二十八」により追加)
(協同組合等が支出する災害見舞金等)
措通61の4(1)-11 協同組合等がその福利厚生事業の一環として一定の基準に従って組合員その他直接又は間接の構成員を対象にして支出する災害見舞金等は、協同組合等の性格にかえりみ、交際費等に該当しないものとする。(昭54年直法2-31「十九」により追加、平6年課法2-5「三十一」により改正)
(特約店等のセールスマンのために支出する費用)
措通61の4(1)-13 製造業者又は卸売業者が自己又はその特約店等に専属するセールスマン(その報酬につき所得税法第204条の規定の適用を受ける者に限る。)のために支出する次の費用は、交際費等に該当しない。(昭54年直法2-31「十九」、平6年課法2-5「三十一」により改正)
(1) セールスマンに対し、その取扱数量又は取扱金額に応じてあらかじめ定められているところにより交付する金品の費用
(2) セールスマンの慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用
(3) セールスマン又はその親族等の慶弔、禍福に際し一定の基準に従って交付する金品の費用
(注) (1)に定める金品の交付に当たっては、同条第1項の規定により所得税の源泉徴収をしなければならないことに留意する。
(特約店等の従業員等を対象として支出する報奨金品)
措通61の4(1)-14 製造業者又は卸売業者が専ら自己の製品等を取り扱う特約店等の従業員等に対し、その者の外交販売に係る当該製品等の取扱数量又は取扱金額に応じてあらかじめ明らかにされているところにより交付する金品の費用については、61の4(1)-13の(1)に掲げる費用の取扱いの例による。(昭55年直法2-15「十三」により追加、平6年課法2-5「三十一」、平19年課法2-3「三十七」、平20年課法2-1「二十七」により改正)
(交際費等に含まれる費用の例示)
措通61の4(1)-15 次のような費用は、原則として交際費等の金額に含まれるものとする。ただし、措置法第61条の4第3項第2号の規定の適用を受ける費用を除く。(昭52年直法2-33「36」、昭54年直法2-31「十九」、昭55年直法2-15「十三」、平6年課法2-5「三十一」、平7年課法2-7「二十八」、平19年課法2-3「三十七」、平20年課法2-1「二十七」により改正)
(1) 会社の何周年記念又は社屋新築記念における宴会費、交通費及び記念品代並びに新船建造又は土木建築等における進水式、起工式、落成式等におけるこれらの費用(これらの費用が主として61の4(1)-10に該当するものである場合の費用を除く。)
(注) 進水式、起工式、落成式等の式典の祭事のために通常要する費用は、交際費等に該当しない。
(3) 得意先、仕入先等社外の者の慶弔、禍福に際し支出する金品等の費用(61の4(1)-10の2から61の4(1)-11まで、61の4(1)-13の(3)及び61の4(1)-18の(1)に該当する費用を除く。)
(下請企業の従業員等のために支出する費用)
措通61の4(1)-18 次に掲げる費用は、業務委託のために要する費用等として交際費等に該当しないものとする。(昭52年直法2-33「38」により追加、昭54年直法2-31「十九」、平6年課法2-5「三十一」、平7年課法2-7「二十八」、平19年課法2-3「三十七」により改正)
(1) 法人の工場内、工事現場等において、下請企業の従業員等がその業務の遂行に関連して災害を受けたことに伴い、その災害を受けた下請企業の従業員等に対し自己の従業員等に準じて見舞金品を支出するために要する費用
(2) 法人の工場内、工事現場等において、無事故等の記録が達成されたことに伴い、その工場内、工事現場等において経常的に業務に従事している下請企業の従業員等に対し、自己の従業員等とおおむね同一の基準により表彰金品を支給するために要する費用
(3) 法人が自己の業務の特定部分を継続的に請け負っている企業の従業員等で専属的に当該業務に従事している者(例えば、検針員、集金員等)の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用を負担する場合のその負担額
(4) 法人が自己の従業員等と同等の事情にある専属下請先の従業員等又はその親族等の慶弔、禍福に際し、一定の基準に従って支給する金品の費用
09-05.ゴルフクラブ等の入会金等
(Update:H21.8.03)
支出の形態及び内容 | 取扱い | |||||
ゴルフクラブ等の費用 | 入会金(他人の有する会員権を購入した場合の購入代金及び名義書換料を含む) | 法人会員として入会した場合 | 記名式の法人会員の場合 | 名義たる役員等がもっぱら個人的に利用するとき | 給与(注1) | |
上記以外のとき | 資産計上(注2) | |||||
無記名式法人会員の場合 | ||||||
個人会員として入会した場合 | 無記名式の法人会員制度がない場合 | 法人がその入会金を資産計上した場合で入会が業務遂行上必要と認められるとき | ||||
上記以外の場合 | 給与(注1) | |||||
上記以外の場合 | ||||||
年会費、年決めロッカー料その他の費用(プレーに直接要する費用を除く) | ゴルフクラブに支出する場合 | 入会金が資産計上されているとき | 交際費 | |||
入会金が給与とされているとき | 給与(注1) | |||||
レジャークラブに支出する場合 | 使途に応じて交際費等、福利厚生費、又は給与 | |||||
社交団体に対する費用 | 入会金 | 法人会員として入会した場合 | 交際費 | |||
個人会員として入会した場合 | 法人会員制度がない場合 | 入会が業務遂行上必要と認められるとき | ||||
上記以外のとき | 給与(注1) | |||||
上記以外の場合 | ||||||
経常会費 | 入会金が給与に該当する場合 | |||||
入会金が交際費等に該当する場合 | 交際費等 | |||||
上記以外の費用 | 法人の業務遂行上必要であると認められる場合 | |||||
特定の役員又は使用人が負担すべきである場合 | 給与(注1) | |||||
ロータリークラブ等の費用 | 入会金又は経常会費 | 交際費等 | ||||
上記以外に負担した金額 | 特定の役員又は使用人が負担すべきである場合 | 給与(注1) | ||||
上記以外の場合 | 支出の目的に応じて寄附金又は交際費等 | |||||
同業者団体の会費 |
通常会費(注3) | 同業者団体において、そのうけいれた通常会費につき不相応に多額の剰余金が生じている場合の、その後に支出するもの | 前払費用(剰余金の額が適正額になるまで) | |||
上記以外 | 支出した時の損金 | |||||
その他の会費(注4) | 法人が支出した場合 | 前払費用 | 同業者団体等が目的に応じて支出した時 | その使途に応じて、繰延資産、交際費等又は寄附金等 | ||
災害見舞金に充てるための分担金(注5) | 法人が支出した時 | 雑費等 |
(注1) 役員に対する給与が「定期同額給与」に該当しない場合には、原則として損金の額に算入されません。
(注2) レジャークラブの入会金については、その会員としての有効期間が定められており、かつ、その脱退に際して入会金相当額の返還を受けることができないものとされているときは、繰延資産として償却することができます。
(注3) 通常会費とは、同業者団体等がその構成員のために行う広報活動、調査研究、研修指導、福利厚生等の通常の業務運営のための経常的費用の分担額として支出する会費をいいます。
(注4) その他の会費とは、同業者団体等が次のような目的のために支出する費用の分担額として支出する会費をいいます。
① 会館その他特別な施設の取得又は改良
② 会員相互の共済
③ 会員相互又は業界の関係先等との懇親等
④ 政治献金その他の寄附
(注5) 災害見舞金に充てるための分担金等とは、同業団体等の構成員の有する事業用資産について災害により損失が生じた場合に、その損失の補てんを目的とする構成員相互の扶助等に係る規約等に基づき合理的な基準に従って、災害発生後にその団体等から賦課され、拠出した分担金をいいます。
(ゴルフクラブの入会金)
基通9-7-11 法人がゴルフクラブに対して支出した入会金については、次に掲げる場合に応じ、次による。(昭49年直法2-71「15」、昭55年直法2-15「十六」により改正)
(1) 法人会員として入会する場合 入会金は資産として計上するものとする。ただし、記名式の法人会員で名義人たる特定の役員又は使用人が専ら法人の業務に関係なく利用するためこれらの者が負担すべきものであると認められるときは、当該入会金に相当する金額は、これらの者に対する給与とする。
(2) 個人会員として入会する場合 入会金は個人会員たる特定の役員又は使用人に対する給与とする。ただし、無記名式の法人会員制度がないため個人会員として入会し、その入会金を法人が資産に計上した場合において、その入会が法人の業務の遂行上必要であるため法人の負担すべきものであると認められるときは、その経理を認める。
(注) この入会金は、ゴルフクラブに入会するために支出する費用であるから、他人の有する会員権を購入した場合には、その購入代価のほか他人の名義を変更するためにゴルフクラブに支出する費用も含まれる。
(資産に計上した入会金の処理)
基通9-7-12 法人が資産に計上した入会金については償却を認めないものとするが、ゴルフクラブを脱退してもその返還を受けることができない場合における当該入会金に相当する金額及びその会員たる地位を他に譲渡したことにより生じた当該入会金に係る譲渡損失に相当する金額については、その脱退をし、又は譲渡をした日の属する事業年度の損金の額に算入する。(昭55年直法2-15「十六」、平12年課法2-7「十七」、平16年課法2-14「十二」により改正)
(注) 預託金制ゴルフクラブのゴルフ会員権については、退会の届出、預託金の一部切捨て、破産手続開始の決定等の事実に基づき預託金返還請求権の全部又は一部が顕在化した場合において、当該顕在化した部分については、金銭債権として貸倒損失及び貸倒引当金の対象とすることができることに留意する。
(年会費その他の費用)
基通9-7-13 法人がゴルフクラブに支出する年会費、年決めロッカー料その他の費用(その名義人を変更するために支出する名義書換料を含み、プレーする場合に直接要する費用を除く。)については、その入会金が資産として計上されている場合には交際費とし、その入会金が給与とされている場合には会員たる特定の役員又は使用人に対する給与とする。
(注) プレーする場合に直接要する費用については、入会金を資産に計上しているかどうかにかかわらず、その費用が法人の業務の遂行上必要なものであると認められる場合には交際費とし、その他の場合には当該役員又は使用人に対する給与とする。
(レジャークラブの入会金)
基通9-7-13の2 9-7-11及び9-7-12の取扱いは、法人がレジャークラブ(宿泊施設、体育施設、遊技施設その他のレジャー施設を会員に利用させることを目的とするクラブでゴルフクラブ以外のものをいう。以下9-7-14において同じ。)に対して支出した入会金について準用する。ただし、その会員としての有効期間が定められており、かつ、その脱退に際して入会金相当額の返還を受けることができないものとされているレジャークラブに対して支出する入会金(役員又は使用人に対する給与とされるものを除く。)については、繰延資産として償却することができるものとする。(昭52年直法2-33「14」により追加)
(注) 年会費その他の費用は、その使途に応じて交際費等又は福利厚生費若しくは給与となることに留意する。
(社交団体の入会金)
基通9-7-14 法人が社交団体(ゴルフクラブ及びレジャークラブを除く。以下9-7-15において同じ。)に対して支出する入会金については、次に掲げる場合に応じ、次による。(昭46年直審(法)20「8」、昭52年直法2-33「15」により改正)
(1) 法人会員として入会する場合 入会金は支出の日の属する事業年度の交際費とする。
(2) 個人会員として入会する場合 入会金は個人会員たる特定の役員又は使用人に対する給与とする。ただし、法人会員制度がないため個人会員として入会した場合において、その入会が法人の業務の遂行上必要であると認められるときは、その入会金は支出の日の属する事業年度の交際費とする。
(社交団体の会費等)
基通9-7-15 法人がその入会している社交団体に対して支出した会費その他の費用については、次の区分に応じ、次による。(昭46年直審(法)20「8」により改正)
(1) 経常会費については、その入会金が交際費に該当する場合には交際費とし、その入会金が給与に該当する場合には会員たる特定の役員又は使用人に対する給与とする。
(2) 経常会費以外の費用については、その費用が法人の業務の遂行上必要なものであると認められる場合には交際費とし、会員たる特定の役員又は使用人の負担すべきものであると認められる場合には当該役員又は使用人に対する給与とする。
(ロータリークラブ及びライオンズクラブの入会金等)
基通9-7-15の2 法人がロータリークラブ又はライオンズクラブに対する入会金又は会費等を負担した場合には、次による。(昭55年直法2-15「十六」により追加)
(1) 入会金又は経常会費として負担した金額については、その支出をした日の属する事業年度の交際費とする。
(2) (1)以外に負担した金額については、その支出の目的に応じて寄附金又は交際費とする。ただし、会員たる特定の役員又は使用人の負担すべきものであると認められる場合には、当該負担した金額に相当する金額は、当該役員又は使用人に対する給与とする。
(同業団体等の会費)
基通9-7-15の3 法人がその所属する協会、連盟その他の同業団体等(以下9-7-15の3において「同業団体等」という。)に対して支出した会費の取扱いについては、次による。(昭55年直法2-15「十六」により追加)
(1) 通常会費(同業団体等がその構成員のために行う広報活動、調査研究、研修指導、福利厚生その他同業団体としての通常の業務運営のために経常的に要する費用の分担額として支出する会費をいう。以下9-7-15の3において同じ。)については、その支出をした日の属する事業年度の損金の額に算入する。ただし、当該同業団体等においてその受け入れた通常会費につき不相当に多額の剰余金が生じていると認められる場合には、当該剰余金が生じた時以後に支出する通常会費については、当該剰余金の額が適正な額になるまでは、前払費用として損金の額に算入しないものとする。
(2) その他の会費(同業団体等が次に掲げるような目的のために支出する費用の分担額として支出する会費をいう。以下9-7-15の3において同じ。)については、前払費用とし、当該同業団体等がこれらの支出をした日にその費途に応じて当該法人がその支出をしたものとする。
イ 会館その他特別な施設の取得又は改良
ロ 会員相互の共済
ハ 会員相互又は業界の関係先等との懇親等
ニ 政治献金その他の寄附
(注)1 通常会費として支出したものであっても、その全部又は一部が当該同業団体等において(2)に掲げるような目的のための支出に充てられた場合には、その会費の額のうちその充てられた部分に対応する部分の金額については、その他の会費に該当することに留意する。ただし、その同業団体等における支出が当該同業団体等の業務運営の一環として通常要すると認められる程度のものである場合には、この限りでない。
2 (1)の場合において、同業団体等の役員又は使用人に対する賞与又は退職給与の支給に充てるために引き当てられた金額で適正と認められるものは、剰余金の額に含めないことができる。
(災害見舞金に充てるために同業団体等へ拠出する分担金等)
基通9-7-15の4 法人が、その所属する協会、連盟その他の同業団体等(以下9-7-15の4において「同業団体等」という。)の構成員の有する事業用資産について災害により損失が生じた場合に、その損失の補てんを目的とする構成員相互の扶助等に係る規約等(災害の発生を機に新たに定めたものを含む。)に基づき合理的な基準に従って当該災害発生後に当該同業団体等から賦課され、拠出した分担金等は、9-7-15の3の取扱いにかかわらず、その支出した日の属する事業年度の損金の額に算入する。(平7年課法2-7「七」により追加)
09-06.会議費と交際費等との区分
(Update:H21.8.03)
支出の形態及び内容 | 取扱い | |
会議、来客との商談、打ち合わせ等に際して飲食物等の接待をした場合の費用 | 社内又は通常会議を行う場合において通常供与される昼食の程度を超えない飲食物等の費用 | 会議費(注1) |
昼食の程度を超える場合の飲食物等の費用 | 交際費等 | |
旅行、観劇等に招待し、併せて新製品の説明、販売技術の研究等の会議を開催した場合の費用(注2) | 会議に通常要する費用 | 会議費 |
その他の費用 | 交際費等 |
★メーカー等が旅行に招待して、併せて新製品の説明等を行った場合は、①説明会等の開催場所等からみて、説明会等が主たる目的で宴会や観光が従であるときは、往復の交通費と説明会等の宿泊代はその全額が会議費として認められますが、②どう見ても観光旅行が主目的で説明会等は付け足しであると認められるようなときは、会議室使用料など説明会等に直接要したと認められる部分はともかくとして、往復の交通費や宿泊代は、観光旅行のための費用に含めて交際費課税の対象となるおそれがあります。
★就職希望者を対象とした就職試験も、広い意味での会議に該当すると考えられます。したがって、受験者に試験当日供与する昼食も交際費等には該当しません。
★テレビ・ラジオ番組等の制作会社が、発注元との打合わせ等のため、飲食店で支出した費用は交際費等となります(H16.5.14東京地裁)。
(注1) その1人当たりの食費の金額が5,000円を超える場合であっても、措置法に規定する「会議に関連して、茶菓、弁当その他これらに類する飲食物を供与するために通常要する費用」に該当するので、交際費等から除かれます。
(注2) 旅行、観劇等の行事に際しての飲食は、その行事の実施を主たる目的とする一連の行為のひとつであることから、その行事と不可分かつ一体的なものとして取り扱われます。
ただし、その一連の行為とは別に単独で行われていると認められる場合にはその飲食等に要する費用に月1人当たり5,000円以下になるかの判定を行うことになり、会議に通常要する費用を交際費に含めないこととする場合には、その飲食等に要する費用が会議に通常要する費用に該当するか検討する必要があります。.
(旅行等に招待し、併せて会議を行った場合の会議費用)
措通61の4(1)-16 製造業者又は卸売業者が特約店その他の販売業者を旅行、観劇等に招待し、併せて新製品の説明、販売技術の研究等の会議を開催した場合において、その会議が会議としての実体を備えていると認められるときは、会議に通常要すると認められる費用の金額は、交際費等の金額に含めないことに取り扱う。(平6年課法2-5「三十一」、平19年課法2-3「三十七」により改正)
(注) 旅行、観劇等の行事に際しての飲食等は、当該行事の実施を主たる目的とする一連の行為の一つであることから、当該行事と不可分かつ一体的なものとして取り扱うことに留意する。ただし、当該一連の行為とは別に単独で行われていると認められる場合及び本文の取扱いを受ける会議に係るものと認められる場合は、この限りでない。
(会議に関連して通常要する費用の例示)
措通61の4(1)-21 会議に際して社内又は通常会議を行う場所において通常供与される昼食の程度を超えない飲食物等の接待に要する費用は、原則として措置法令第37条の5第2項第2号に規定する「会議に関連して、茶菓、弁当その他これらに類する飲食物を供与するために通常要する費用」に該当するものとする。(昭54年直法2-31「十九」、平6年課法2-5「三十一」、平19年課法2-3「三十七」により改正)
(注)1 会議には、来客との商談、打合せ等が含まれる。
2 本文の取扱いは、その1人当たりの費用の金額が措置法令第37条の5第1項に定める金額を超える場合であっても、適用があることに留意する。
09-07.給与等と交際費等との区分
(Update:H21.8.03)
支給する物品及び形態等 | 取扱い | ||
従業員等に常時支給される昼食等の費用 | 給与(注2,3) | ||
従業員等に原価以下で販売して自社製品、商品等の原価との差額 | |||
従業員等に機密費、接待費、交際費、旅費等の名義をもって支給した金銭(注1) | 法人の業務のために使用したことが明らかでないもの | 給与(注3) | |
明らかに法人の業務に使用したもの | 接待等に使用 | 交際費等 | |
旅費等に使用 | 旅費等 |
(注1) 機密費、接待費、交際費等の名義をもって支出した金銭(特定の従業員に支給されたものでないもの)でそのし世が明らかでないものは、損金不算入となります。
なお、使途秘匿金に該当した場合には、通常の法人税に加え、40%の法人税の追加課税が行われます。
(注2) これらの経済的利益については、原則として所得税の源泉徴収が必要ですが、一定の場合には、課税の対象としないこととされています。
(注3) これらの給与のうち役員に対する給与で「定期同額給与」に該当しないものについては、原則として損金の額に算入されません。
(給与等と交際費等との区分)
措通61の4(1)-12 従業員等に対して支給する次のようなものは、給与の性質を有するものとして交際費等に含まれないものとする。(平6年課法2-5「三十一」、平19年課法2-3「三十七」により改正)
(1) 常時給与される昼食等の費用
(2) 自社の製品、商品等を原価以下で従業員等に販売した場合の原価に達するまでの費用
(3) 機密費、接待費、交際費、旅費等の名義で支給したもののうち、その法人の業務のために使用したことが明らかでないもの
09-08.現地案内等に要する費用
(Update:H21.8.03)
支出の形態及び内容 | 取扱い | |||
① 不動産業者が、一般の顧客を現地に案内する場合の交通費、食事、宿泊のための費用 ② 旅行あっせん業者が、団体旅行のあっせんに当たって団体の責任者等を事前に旅行予定地へ案内する場合の交通費、食事、宿泊のための費用 ③ 新製品、季節商品の展示会等に得意先等を招待する場合の交通費、食事、宿泊のための費用 ④ 自社製品等に関する商品知識の普及等のため、その製造工場等へ得意先を見学させる場合の交通費、食事、宿泊のための費用 |
通常要する費用 | 案内費等 | ||
宴会の費用 | 飲食以外の費用 | |||
飲食に要する費用 | 参加者1人当たり5,000円以下 | |||
参加者1人当たり5,000円超 | 交際費等 |
(現地案内等に要する費用)
措通61の4(1)-17 次に掲げる費用は、販売のために直接要する費用として交際費等に該当しないものとする。(昭50年直法2-21「41」、昭52年直法2-33「37」、昭54年直法2-31「十九」、平6年課法2-5「三十一」により改正)
(1) 不動産販売業を営む法人が、土地の販売に当たり一般の顧客を現地に案内する場合の交通費又は食事若しくは宿泊のために通常要する費用
(2) 旅行あっせん業を営む法人が、団体旅行のあっせんをするに当たって、旅行先の決定等の必要上その団体の責任者等特定の者を事前にその旅行予定地に案内する場合の交通費又は食事若しくは宿泊のために通常要する費用(旅行先の旅館業者等がこれらの費用を負担した場合におけるその負担した金額を含む。)
(3) 新製品、季節商品等の展示会等に得意先等を招待する場合の交通費又は食事若しくは宿泊のために通常要する費用
(4) 自社製品又は取扱商品に関する商品知識の普及等のため得意先等に当該製品又は商品の製造工場等を見学させる場合の交通費又は食事若しくは宿泊のために通常要する費用
(商慣行として交付する模型のための費用)
措通61の4(1)-19 建物、プラント、船舶等の建設請負等をした建設業者又は製造業者が、その発注者に対して商慣行として当該建設請負等の目的物の模型を交付するために通常要する費用は、交際費等に含まれないものとする。(昭52年直法2-33「38」により追加、平6年課法2-5「三十一」により改正)
09-09.事業者に金銭等で支出する販売奨励金等の費用
(Update:H21.8.03)
支出の形態及び内容 | 取扱い | ||
特定地域の得意先に対する販売奨励金等としての金銭、事業用資産の交付 | 金銭 | 旅行、観劇等の負担金等として交付するもの | 交際費等 |
事業用資産 | 上記以外のもの | 販売奨励金等(注) | |
下請工場、特約店等となるため、又はするための運動費等の費用 | 相手方の事業者に対して金銭又は事業用資産を交付する場合の費用 | ||
上記以外のもの | 交際費等 |
★「特定地域」には、次のような自社製品の販売促進を必要とする地域が該当します。
① 競合他社の販売力の強い地域
② 自社製品等の販売開拓が必要な地域
③ 特定種類の商品等を特に売りだす必要のある地域
④ 新製品の販売のために特に販促を要する地域
★少額物品は販売奨励金には含まれていませんが、その少額物品が販売奨励金として交付された場合には、その交付が販売奨励金としての要件を備えている限り交際費等に該当しないといえます。
★特約店の営業部員全員を対象とした掛捨ての損害保険の加入については、保険料分を販売奨励金として特約店に支払い、特約店が自己の全従業員を対象に掛捨て保険の保険料を支払っている場合には、従業員を含めて課税関係が生じないことになります。
そこで販売奨励金の変形として、保険料を直接負担した場合であっても交際費等には該当しないことになっています。
・損害保険料を負担 (借)販売促進費 ***** (貸)現預金 *****
・特約店 (借)損害保険料 ***** (貸)雑収入 *****(通常処理しない)
しかし、特約店の役員等特定の従業員を対象とする場合や、養老保険のように満期保険金がある保険の保険料を負担した場合には、交際費となります。
当該保険料を負担したときは、
(借)交際費 ***** (貸)現預金 *****
として処理し、特定者は雑所得として所得税の確定申告を行います(特約店は処理しない。)。
(注) 販売奨励金等とされる金銭であっても、支出の効果が1年以上に及ぶと認められる場合には、その費用の額は繰延資産に該当します。
(事業者に金銭等で支出する販売奨励金等の費用)
措通61の4(1)-7 法人が販売促進の目的で特定の地域の得意先である事業者に対して販売奨励金等として金銭又は事業用資産を交付する場合のその費用は、交際費等に該当しない。ただし、その販売奨励金等として交付する金銭の全部又は一部が61の4(1)-15の(5)に掲げる交際費等の負担額として交付されるものである場合には、その負担額に相当する部分の金額についてはこの限りでない。(昭54年直法2-31「十九」、平6年課法2-5「三十一」、平19年課法2-3「三十七」により改正)
(注) 法人が特約店等の従業員等(役員及び従業員をいう。以下同じ。)を被保険者とするいわゆる掛捨ての生命保険又は損害保険(役員、部課長その他特定の従業員等のみを被保険者とするものを除く。)の保険料を負担した場合のその負担した金額は、販売奨励金等に該当する。
(交際費等に含まれる費用の例示)
措通61の4(1)-15 次のような費用は、原則として交際費等の金額に含まれるものとする。ただし、措置法第61条の4第3項第2号の規定の適用を受ける費用を除く。(昭52年直法2-33「36」、昭54年直法2-31「十九」、昭55年直法2-15「十三」、平6年課法2-5「三十一」、平7年課法2-7「二十八」、平19年課法2-3「三十七」、平20年課法2-1「二十七」により改正)
(1) 【略】
(2) 下請工場、特約店、代理店等となるため、又はするための運動費等の費用
(注) これらの取引関係を結ぶために相手方である事業者に対して金銭又は事業用資産を交付する場合のその費用は、交際費等に該当しない。
(3)、(4) 【略】
(5) 製造業者又は卸売業者がその製品又は商品の卸売業者に対し、当該卸売業者が小売業者等を旅行、観劇等に招待する費用の全部又は一部を負担した場合のその負担額
09-10.情報提供料等と交際費等の区分
(Update:H21.8.03)
支出の形態及び内容 | 取扱い | |
取引に関する情報提供等を行うことを業としていない者(取引に係る相手方の従業員を除く。)対する情報提供等の対価としての金品の交付 | その金品の交付が正当な取引の対価と認められる場合のその費用(注) | 交際費等以外の費用 |
上記以外のもの | 交際費等 | |
取引先等の役員、従業員個人に対する交付 | ||
情報提供等を行うことを業としている者 | 交際費等以外の費用 |
★この場合の「契約」とは、必ずしも契約書の形式をとる必要はなく、広告等であらかじめ条件を提示する方法であっても、非事業者への契約の申し込みと考えられますので、「契約」に基づくものとして認められます。
★情報提供の相手方として取引に係る相手方の従業員が除かれていますが、そのような金品の交付は、一種の謝礼とみられ、正当な対価の支払いとは見られなくなるからです。
★ドライブインが観光バスの運転手等に手渡す金銭は、正当な対価の支払いとは見られませんので交際費等となります(S50.6.24東京地裁)。
(注) その金品の交付につき、例えば次の要件のすべてを満たしている場合には、その交付は「正当な対価」の支払であると認められます。
① その交付があらかじめ締結された契約に基づくものであること。
② 提供を受ける役務の内容がその契約において具体的に明らかにされており、かつ、これに基づいて実際に役務提供を受けていること。
③ その交付した金品の価額がその提供を受けた役務の内容に照らし相当と認められること。
(情報提供料等と交際費等との区分)
措通61の4(1)-8 法人が取引に関する情報の提供又は取引の媒介、代理、あっせん等の役務の提供(以下61の4(1)-8において「情報提供等」という。)を行うことを業としていない者(当該取引に係る相手方の従業員等を除く。)に対して情報提供等の対価として金品を交付した場合であっても、その金品の交付につき例えば次の要件のすべてを満たしている等その金品の交付が正当な対価の支払であると認められるときは、その交付に要した費用は交際費等に該当しない。(昭54年直法2-31「十九」、平6年課法2-5「三十一」により追加、平19年課法2-3「三十七」により改正)
(1) その金品の交付があらかじめ締結された契約に基づくものであること。
(2) 提供を受ける役務の内容が当該契約において具体的に明らかにされており、かつ、これに基づいて実際に役務の提供を受けていること。
(3) その交付した金品の価額がその提供を受けた役務の内容に照らし相当と認められること。
(注) この取扱いは、その情報提供等を行う者が非居住者又は外国法人である場合にも適用があるが、その場合には、その受ける金品に係る所得が所得税法第161条各号又は法第138条各号に掲げる国内源泉所得のいずれかに該当するときは、これにつき相手方において所得税又は法人税の納税義務が生ずることがあることに留意する。
(交際費等に含まれる費用の例示)
措通61の4(1)-15 次のような費用は、原則として交際費等の金額に含まれるものとする。ただし、措置法第61条の4第3項第2号の規定の適用を受ける費用を除く。(昭52年直法2-33「36」、昭54年直法2-31「十九」、昭55年直法2-15「十三」、平6年課法2-5「三十一」、平7年課法2-7「二十八」、平19年課法2-3「三十七」、平20年課法2-1「二十七」により改正)
(9) 得意先、仕入先等の従業員等に対して取引の謝礼等として支出する金品の費用(61の4(1)-14に該当する費用を除く。)