(92) 修正申告における消費税の損金算入の時期について

 (Update:H22.12.10)
【Q】   当社は消費税の税込経理を採用しています。
  税務調査により、消費税の修正申告を行うこととなりましたが、消費税等の追徴税額について、法人税の修正申告書の別表四において損金算入(減算)することができますか。

【A】   税込経理方式を採用している法人の納付すべき消費税等の損金算入の時期は、原則としてその消費税等の申告書が提出された日の属する事業年度とされています。
  ただし、消費税の申告書が提出されていない場合であっても、その申告書が申告期限未到来のものであり、法人がその申告書に記載すべき消費税の額を損金経理により未払金に計上したときは、損金経理をした事業年度の損金の額に算入することが認められています。
  質問において、、修正申告において増加した消費税の額は、既に申告期限が到来しているものであり、その事業年度の決算もすでに確定していることから、今から損金経理することはできません。
  したがって、修正申告において増加した消費税等の額は、原則どおりに消費税等の修正申告書を提出した日(現在進行している事業年度)の事業年度において損金の額に算入することとなりますので、法人税の修正申告において損金の額に算入することはできません。 


 

(91) 修正に伴う追徴税額の処理について

(Update:H21.9.3)
  修正により法人税が追徴されることになると、それに伴って住民税や事業税も増加することとなります。
  法人税と住民税は利益積立金の控除項目とされるところから、別表五の未納税額も修正する必要があります。 


【当初申告】

区分 確定申告による税額 修正による追徴税額 合計
未納法人税 564   564
未納道府県民税 36   36
未納市民税 119   119
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
未納法人税     △564 △564
未納道府県民税     △36 △36
未納市民税     △119 △119

【追徴税額等の処理】

★追徴税金を納付するときの仕訳(例)
(借)法人税等 318 
    (貸)現預金 318

(借)未払消費税(税込経理の場合は租税公課等) **,*** 
    (貸)現預金 **,***  

区分 確定申告による税額 修正による追徴税額 合計
未納法人税 564 270 834
未納道府県民税 36 14 50
未納市民税 119 34 153
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
未納法人税     △834 △834
未納道府県民税     △50 △50
未納市民税     △153 △153

 

(87) 修正申告における個別対応方式の適用

 (Update:H22.12.14)
【Q】  消費税の申告において課税売上割合が95%以上であったため、課税仕入れにかかる消費税額を全額控除対象として申告していました。
  しかし、税務調査において、非課税売上げを不課税売上として計上していたことなどにより、修正後の課税売上割合が95%未満となってしまいました。この場合、修正申告において、仕入控除税額の計算を個別対応方式で計算することができますか。


【A】  控除することができる課税仕入れ等に係る消費税の額の合計額は、当該課税期間における課税売上割合に応じて異なってきます。
  すなわち、課税売上割合が95%以上の場合には、全額を控除の対象とすることができますが、課税売上割合が95%未満の場合には、個別対応方式又は一括比例配分方式のいずれかの方式によって計算した消費税額が控除の対象となります。

  この個別対応方式と一括比例配分方式のいずれの方式によって申告するかは事業者の選択にゆだねられていますが、一括比例配分方式を選択した場合には、2年間は継続して適用しなければならないこととなっています。
  個別対応方式と一括比例配分方式の選択に当たり、修正申告においてその選択を変更できるかという点については、法令上明文の規定はありませんが、一旦確定申告書において選択した方式は変更できないものと解されています。したがって、確定申告において一括比例配分方式を適用している場合には、その後の修正申告においても、一括比例配分方式を適用する必要があります(個別対応方式を選択している場合も同じ。)。

  質問においては、確定申告時における課税売上割合が95%以上であったため、当初は仕入控除税額の方式を選択していないこととなります。このような場合において、修正申告で課税売上割合が95%未満になった場合には、修正申告の段階で初めて仕入控除の方式を選択することとなり、個別対応方式又は一括比例配分方式のいずれかを選択できることとなります。
  ただし、個別対応方式の選択は課税仕入れ等の区分が明らかにされている場合に限られることになり、また、一括比例配分方式の継続適用期間中(2年間)である場合には、一括比例配分方式しか適用できないこととなります。  


 

(86) 税込経理の法人ですが、消費税の還付申告をしたところ、これを修正することになった。

(Update:H21.9.3)
  消費税を税込経理している法人ですが、確定申告で仕入控除額が大きく還付申告(未収還付消費税/雑収入))をしたところ、税務調査において、仕入れの重複等があり消費税を修正することになりました。
  法人税の修正申告では、①別表四で雑収入の過大計上、②別表五で未収消費税の減という処理でいいでしょうか? 


 【修正年度の処理】

 税込経理方式を適用している法人における納付すべき消費税等の損金算入時期は、次表のとおり、原則としてその申告書が提出された日の属する事業年度とされています。
  例における場合は、修正申告において増加した消費税の額となりますので、既に申告期限が到来しているものであり、また、その事業年度の決算もすでに確定していることから今から損金経理することはできません。
 

 区分 計上時期 
納付すべき消費税等 還付を受ける消費税等
原則  納税申告書の提出日
更正・決定  その更正又は決定の日
特例  未払金に計上した時は、その計上日(法人税法上は損金経理が要件となります。)  未収入金に計上した時は、その計上日 

【進行年度の処理】

 支払った日(還付を受けた日)の属する事業年度において経理処理することとなり、申告調整の必要はありません。


  直法2-1通達
 (消費税等の損金算入の時期) 
 7 法人税の課税所得金額の計算に当たり、税込経理方式を適用している法人が納付すべき消費税等は、納税申告書に記載された税額については当該納税申告書が提出された日の属する事業年度の損金の額に算入し、更正又は決定に係る税額については当該更正又は決定があった日の属する事業年度の損金の額に算入する。ただし、当該法人が申告期限未到来の当該納税申告書に記載すべき消費税等の額を損金経理により未払金に計上したときの当該金額については、当該損金経理をした事業年度の損金の額に算入する。(平9年課法2-1により改正)

 (消費税等の益金算入の時期)
 8 法人税の課税所得金額の計算に当たり、税込経理方式を適用している法人が還付を受ける消費税等は、納税申告書に記載された税額については当該納税申告書が提出された日の属する事業年度の益金の額に算入し、更正に係る税額については当該更正があった日の属する事業年度の益金の額に算入する。ただし、当該法人が当該還付を受ける消費税等の額を収益の額として未収入金に計上したときの当該金額については、当該収益に計上した事業年度の益金の額に算入する。(平9年課法2-1により改正)


 

(85) 課税売上漏れがあった(簡易課税)。

(Update:H21.9.3)
   当期に計上すべき請負代金432円(内消費税額は32円)が計上されていないことが判明した。
  消費税額を計算したところ未払消費税額は25円であった。
  なお、当社は消費税額の計算に当たり簡易課税を選択している。 


 【修正年度の処理】

★修正内容を仕訳けで表現すると
(借)売掛金 432
     (貸)売上 400
    (貸)仮受消費税 32

(借)仮受消費税 32
    (貸)未払消費税 25
    (貸)雑収入 7

【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【加算】
売上計上漏れ
400 432
△32
 
雑収入 7 7  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
売掛金     432 432
未払消費税     △32
7
△25

【進行年度の処理】

★修正時の仕訳
(借)売掛金 432
    (貸)前期損益修正益 400
    (貸)仮受消費税 32

(借)仮受消費税 32
    (貸)未払消費税 25
    (貸)前期損益修正益 7

【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【減算】
前期損益修正益
400 432
△32
 
前期損益修正益 7 7  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
売掛金 432 432   0
未払消費税 △25 △32
7
  0

 

(84) 貸倒損失の計上が認められなかった。

(Update:H28.7.31)
   貸倒損失等に計上した864円(消費税相当額64円を含む。)は、貸倒には時期尚早につき、その計上は認められないことが判明した。
  なお、消費税額を計算したところ未払消費税額は63円であった。 


 【修正年度の処理】

★修正内容を仕訳けで表現すると
 (借)売掛金 864
    (貸)貸倒損失 800
    (貸)仮払消費税 64

(借)仮払消費税 64 
    (貸)未払消費税 63
    (貸)雑収入 1

【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【加算】
貸倒損失否認
800 864
△64
 
雑収入 1 1  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
売掛金     864 864
未払消費税     △64
1
△63

【進行年度の処理】

★修正時の仕訳
 (借)売掛金 864
    (貸)前期損益修正益 800
    (貸)仮払消費税 64

(借)仮払消費税 64 
    (貸)未払消費税 63
    (貸)前期損益修正益 1

【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【減算】
前期損益修正益
800 864
△64
 
前期損益修正益 1 1  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
売掛金 864 864   0
未払消費税 △63 △64
1
  0

 

(83) 非課税売上を課税売上としていた。

(Update:H21.9.3)
  当期の売上に計上した家賃収入3,240円(税込金額)を課税売上としていたが、非課税売上に該当することが判明した。
  なお、消費税額を計算したところ還付消費税額は220円であった。 


 【修正年度の処理】

★修正内容を仕訳けで表現すると
 (借)仮受消費税 240
    (貸)売上 240

(借)未収還付消費税 220 
(借)雑損失 20
    (貸)仮受消費税 240

【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【加算】
売上計上漏れ
240 240  
【減算】
雑損失
20 20  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
未収還付消費税   20 240 220

【進行年度の処理】

★修正時の仕訳
 (借)未収還付消費税 220 
    (貸)前期損益修正益 220 

【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【減算】
前期損益修正益
220 220  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
未収還付消費税 220 220   0

 

(82) 課税仕入れの中に個人負担分があった。

 (Update:H21.9.3)
   福利厚生費に計上した金額のうち300円(税抜金額)は、代表者個人の衣服の購入費であることが判明したので、代表者に対する賞与とする。
  なお、仮払消費税は24円であるが、消費税額を計算したところ未払消費税額は20円であった。 


 【修正年度の処理】

★修正内容を仕訳けで表現すると
 (借)役員賞与 324
    (貸)福利厚生費 300
    (貸)仮払消費税 24

(借)仮払消費税 24 
    (貸)未払消費税 20
    (貸)雑収入 4

【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【加算】
役員賞与の損金不算入
324   324
雑収入 4 4  
【減算】
仮払消費税認容
24 24  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
未払消費税   24 4 △20

【進行年度の処理】

★修正時の仕訳
 (借)前期損益修正損 20 
   (貸)前期損益修正益 20 

【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【減算】
前期損益修正益
20 20  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
未払消費税 20 20   0

 

(69) メーカーからクーラーを譲り受けたところ経済的利益があるとされた。

(Update:H28.7.31)
   メーカーからクーラー(メーカーの取得価額は1,400円))を600円で譲り受け、次のとおり経理処理を行いました。
  なお、この備品の耐用年数は6年(定率法償却率0.333)で当期に事業用に供した月数は6月です。
  減価償却費=600円×0.333×6月/12月=100円


【法人が行っていた経理処理】 
(借)器具備品 600
    (貸)現預金 600 
(借)減価償却費 100 
    (貸)器具備品 100


★ この場合、メーカーの取得価額から当社の負担額を差し引いた金額が経済的利益となり、次のとおり受増益800円を計上する必要がありました。
(借)器具備品 1,400 
    (貸)現預金 600  
    (貸)受増益 800
  しかし、この800円は「受増益」の計上漏れとして加算するわけではなく、「減価償却」したものとして取り扱われます(法基通7-5-1(4))。
  ① 償却限度額=1,400円×0.333×6月/12月=233円
  ② 償却超過額=(800円+100円)-233円=467円 


 【修正年度の処理】

★修正内容を仕訳けで表現すると
 (借)器具備品 467
    (貸)減価償却超過額 467 

【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【加算】
減価償却超過額
467 467  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
器具備品     467 467

【進行年度の処理】

★修正時の仕訳
 (借)器具備品 467 
    (貸)前期損益修正益 467 

【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【減算】
前期損益修正益
467 467  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
器具備品 467 467   0

 

(68) 抽選券付き販売のうち景品引渡し未了分について否認された。

(Update:H21.11.11)
   商品の抽選権付き販売を行い、当選者には金銭を交付することにし、広告宣伝費として1,000円(未払金)を計上しました。当選者が当選券をもってきたときに金銭と交換した金額が700円になりました。


【法人が行っていた経理処理】 
(借)広告宣伝費 1,000 
    (貸)未払金 1,000
(借)未払金 700 
    (貸)現金 700


 【修正年度の処理】

★ 当期中に引換請求がなかった300円についての損金算入は認められません。
★修正内容を仕訳けで表現すると
 (借)未払金 300
    (貸)広告宣伝費 300 

【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【加算】
広告宣伝費否認
300 300  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
未払金     300 300

【進行年度の処理】

★修正時の仕訳
 (借)未払金 300 
    (貸)前期損益修正益 300 

【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【減算】
前期損益修正益
300 300  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
未払金 300 300   0