◇休眠会社とは

  (Update:H22.12.9) 
 休眠会社とは、登記上は存在するが、実際の営業活動は行っていない会社のことです。


 休眠会社の手続き 
 
諸般の事情により、現在活動中の会社を休眠会社にする場合は、税務署・都道府県税事務所・市町村役所に休眠の届けをする必要があります。逆にいいますと、それ以外の手続きは基本的には必要ありません。 

  届出の書式は、税務署には異動届書に休眠である旨を記載します。都道府県・市町村は各自治体により形式が異なりますので、管轄の役所へお問い合わせください。
  ちなみに再開する場合も、 再開の届けをする必要があります。
  なお、取引先等に連絡されるかは会社によって異なるでしょうから、連絡が必要な場合はそれぞれお知らせください。


  休眠中の登記 
 
有限会社であれば問題ありませんが、株式会社の場合は役員改選は休眠中も行わなければなりません。 
  取締役は2年、監査役は4年ごとですが、休眠中だからといって免除されるわけではありませんのでご注意ください。


 休眠中の税務申告 
 登記と同様、休眠中も税務申告を行う必要があり、免除されるものではありません。
  形式的な申告になると思われますが、再開の可能性が残されていれば申告された方がよいでしょう。 
  休眠に至るまでに多額の赤字を抱えてしまった会社も多いかと思いますが、税法では過去の赤字を将来の黒字から差し引くことのできる繰越欠損金という制度があります。
  これは連続して申告をすることが要件になりますので、再開の可能性がある方は申告をされた方がよいでしょう。


 休眠中の納税 
 休眠中も税務申告は必要なのですが、納税が必要かどうかは自治体により異なります。
  所得ゼロでも地方税の均等割だけは原則として納付しなければならないのですが、自治体によっては均等割が免除されるところもあるようです。
  免除されるかどうかは、管轄の自治体にお問い合わせください。 


 

◇粉飾決算と税務調査について

 同族(中小)会社の経理責任者を担当しています。経理は前期の途中から携わるようになりました。
  前期及び前々期の決算において、本来赤字のところ期末棚卸を過大に計上して、黒字申告していたようです。おかげで銀行借り入れもスムーズに行えることができました。 
  今期は経費を徹底的に削減して利益を出して、適正在庫に直していきたいと思いますが、過去の粉飾分を取り戻すのはなかなか大変です。  先日、税務調査の連絡を受けましたが、経理担当者として粉飾決算の責任を取らされるのでしょうか。ちなみに決算書や申告書は税理士が作成したものです。

(Update:H21.4.20) 
 法人が粉飾決算をするという善悪は別として、 法人が事実を仮装して経理したことにより、本来の所得より過大となった結果、法人税額も本来の納税額より過大となったという特殊なケースでは、仮想の事実を修正する経理をし、それを基に確定申告書を提出するまで、税務署長は更正をしないことができるとされています。

  仮に、税務調査で粉飾決算を指摘されたとしても、法人が自主的に修正経理をして確定申告書を提出するまで、税務署から修正を求めることはないようです。したがって、経理担当者が粉飾決算の責任を取らされることはないと思われます。


 

◇欠損金の繰戻し還付の税務調査はこうだ!

(Update:H21.5.27)
  欠損金の繰戻し還付を請求すると、必ず税務調査が行われるといわれています。
  確かに国税庁は、一度納税されたものを還付請求があったからといって、黙って還付するほど甘くはないでしょう。調査の密度の違いはあるものの、何らかの形で還付請求者と接触することは間違いないと思われます。
  また、繰戻し還付を請求をした場合の税務調査は、通常の税務調査とは少し異なることが予想されるので、特に前期(還付事業年度)までの見直しが必要となります。
  説例に基づいて、税務調査の態様と法人税額の変化を検証します。

説例 還付事業年度 欠損事業年度 2期通算
法人税額
(甲)増減所得 調査後所得
 (税額) 
(乙)増減所得  調査後所得
 (税額)
【例1】欠損事業年度が赤字になったので繰戻し還付を請求した   4,000
(120) 
  △2,000
(△60) 
60
(0) 
【例2】税務調査において(乙)増減所得+1,000が認められた   4,000
(120) 
+1,000 △1,000
(△30) 
90
(+30) 
【例3】税務調査において(乙)増減所得+3,000が認められた   4,000
(120) 
+3,000 1,000
(30) 
150
(+90)
【例4】税務調査において(甲)増減所得+2,000、(乙)増減所得△2,000が認められた +2,000 6,000
(180) 
△2,000 △4,000
(△60) 
120
(+60)
【例5】税務調査において(甲)増減所得+6,000が認められた  +6,000 10,000
(300) 
  △2,000
(△60)
 240
(+180)

(注)税率は便宜上30%で計算してある。  


●例1 欠損事業年度が赤字になったので繰戻し還付を請求した。
  前年は4,000万円の黒字で120万円を納税したが、当期は2,000万円の赤字となったので、欠損金の繰戻し還付を請求した。
  還付請求額は、120万円×2,000÷4,000=60万円となった。

●例2 税務調査において(乙)増減所得+1,000が認められた。
  欠損金の繰戻し還付を請求したところ、税務調査が行われ欠損事業年度の所得が1,000万円増加することとなり、繰戻し還付額が120万円×1,000÷4,000=30万円となった。
  2期通算税額が90万円となり例1より30万円増加することとなった。

●例3 税務調査において(乙)増減所得+3,000が認められた。
  税務調査が行われ欠損事業年度の所得が3,000万円増加して、調査後の所得金額が1,000万円の黒字となり欠損金の繰戻し還付額が認められなった。
  2期通算税額が150万円となり例1より90万円増加することとなった。

●例4 税務調査において(甲)増減所得+2,000、(乙)増減所得△2,000が認められた。
  税務調査が行われ還付事業年度の所得が2,000万円増加し、同時に欠損事業年度の所得が2,000万円減少することとなった。
  還付事業年度の税額が30万円増加して180万円となり、欠損金の繰戻し還付額は180万円×2,000÷6,000=60万円となった。
  2期通算税額が120万円となり例1より60万円増加することとなった。

 通常の税務調査においては、
  前 期: 売上計上漏れ・・・・・売掛金 1,000 / 売上 1,000
  最終期: 売上認容・・・・・・・・・・・売上1,000 / 売掛金 1,000
 といった意味のない更正は、留保税額が変動して看過できないなどの特別なことがない限り行われませんでした。
  しかし、欠損金の繰戻し還付を行った場合には、還付事業年度の所得を増加させ欠損事業年度の所得を減少させる、いわゆる期ズレの更正でも税額が増加するということを税務職員が気がついて、還付事業年度の期ズレがどうのこうのと言わないようにお祈りしたいものです。 

●例5 税務調査において(甲)増減所得+6,000が認められた。
  税務調査が行われ還付事業年度の所得が6,000万円増加して税額が300万円となり、欠損金の繰戻し還付額は300万円×2,000÷10,000=60万円となった。
  2期通算税額が240万円となり例1より180万円増加することとなった。 

 当初の還付請求額が60万円の場合には、その後の調査等により還付事業年度や欠損事業年度の所得金額が増減しても、還付額が当初請求した60万円を超えることはなさそうです。
 還付事業年度の期ズレも更正の対象になると想定されますが、還付事業年度が既に税務調査の洗礼を受けている場合には、当該事業年度については手をつけないことになりそうです。 


 

(92) 修正申告における消費税の損金算入の時期について

 (Update:H22.12.10)
【Q】   当社は消費税の税込経理を採用しています。
  税務調査により、消費税の修正申告を行うこととなりましたが、消費税等の追徴税額について、法人税の修正申告書の別表四において損金算入(減算)することができますか。

【A】   税込経理方式を採用している法人の納付すべき消費税等の損金算入の時期は、原則としてその消費税等の申告書が提出された日の属する事業年度とされています。
  ただし、消費税の申告書が提出されていない場合であっても、その申告書が申告期限未到来のものであり、法人がその申告書に記載すべき消費税の額を損金経理により未払金に計上したときは、損金経理をした事業年度の損金の額に算入することが認められています。
  質問において、、修正申告において増加した消費税の額は、既に申告期限が到来しているものであり、その事業年度の決算もすでに確定していることから、今から損金経理することはできません。
  したがって、修正申告において増加した消費税等の額は、原則どおりに消費税等の修正申告書を提出した日(現在進行している事業年度)の事業年度において損金の額に算入することとなりますので、法人税の修正申告において損金の額に算入することはできません。 


 

(91) 修正に伴う追徴税額の処理について

(Update:H21.9.3)
  修正により法人税が追徴されることになると、それに伴って住民税や事業税も増加することとなります。
  法人税と住民税は利益積立金の控除項目とされるところから、別表五の未納税額も修正する必要があります。 


【当初申告】

区分 確定申告による税額 修正による追徴税額 合計
未納法人税 564   564
未納道府県民税 36   36
未納市民税 119   119
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
未納法人税     △564 △564
未納道府県民税     △36 △36
未納市民税     △119 △119

【追徴税額等の処理】

★追徴税金を納付するときの仕訳(例)
(借)法人税等 318 
    (貸)現預金 318

(借)未払消費税(税込経理の場合は租税公課等) **,*** 
    (貸)現預金 **,***  

区分 確定申告による税額 修正による追徴税額 合計
未納法人税 564 270 834
未納道府県民税 36 14 50
未納市民税 119 34 153
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
未納法人税     △834 △834
未納道府県民税     △50 △50
未納市民税     △153 △153

 

(87) 修正申告における個別対応方式の適用

 (Update:H22.12.14)
【Q】  消費税の申告において課税売上割合が95%以上であったため、課税仕入れにかかる消費税額を全額控除対象として申告していました。
  しかし、税務調査において、非課税売上げを不課税売上として計上していたことなどにより、修正後の課税売上割合が95%未満となってしまいました。この場合、修正申告において、仕入控除税額の計算を個別対応方式で計算することができますか。


【A】  控除することができる課税仕入れ等に係る消費税の額の合計額は、当該課税期間における課税売上割合に応じて異なってきます。
  すなわち、課税売上割合が95%以上の場合には、全額を控除の対象とすることができますが、課税売上割合が95%未満の場合には、個別対応方式又は一括比例配分方式のいずれかの方式によって計算した消費税額が控除の対象となります。

  この個別対応方式と一括比例配分方式のいずれの方式によって申告するかは事業者の選択にゆだねられていますが、一括比例配分方式を選択した場合には、2年間は継続して適用しなければならないこととなっています。
  個別対応方式と一括比例配分方式の選択に当たり、修正申告においてその選択を変更できるかという点については、法令上明文の規定はありませんが、一旦確定申告書において選択した方式は変更できないものと解されています。したがって、確定申告において一括比例配分方式を適用している場合には、その後の修正申告においても、一括比例配分方式を適用する必要があります(個別対応方式を選択している場合も同じ。)。

  質問においては、確定申告時における課税売上割合が95%以上であったため、当初は仕入控除税額の方式を選択していないこととなります。このような場合において、修正申告で課税売上割合が95%未満になった場合には、修正申告の段階で初めて仕入控除の方式を選択することとなり、個別対応方式又は一括比例配分方式のいずれかを選択できることとなります。
  ただし、個別対応方式の選択は課税仕入れ等の区分が明らかにされている場合に限られることになり、また、一括比例配分方式の継続適用期間中(2年間)である場合には、一括比例配分方式しか適用できないこととなります。  


 

(86) 税込経理の法人ですが、消費税の還付申告をしたところ、これを修正することになった。

(Update:H21.9.3)
  消費税を税込経理している法人ですが、確定申告で仕入控除額が大きく還付申告(未収還付消費税/雑収入))をしたところ、税務調査において、仕入れの重複等があり消費税を修正することになりました。
  法人税の修正申告では、①別表四で雑収入の過大計上、②別表五で未収消費税の減という処理でいいでしょうか? 


 【修正年度の処理】

 税込経理方式を適用している法人における納付すべき消費税等の損金算入時期は、次表のとおり、原則としてその申告書が提出された日の属する事業年度とされています。
  例における場合は、修正申告において増加した消費税の額となりますので、既に申告期限が到来しているものであり、また、その事業年度の決算もすでに確定していることから今から損金経理することはできません。
 

 区分 計上時期 
納付すべき消費税等 還付を受ける消費税等
原則  納税申告書の提出日
更正・決定  その更正又は決定の日
特例  未払金に計上した時は、その計上日(法人税法上は損金経理が要件となります。)  未収入金に計上した時は、その計上日 

【進行年度の処理】

 支払った日(還付を受けた日)の属する事業年度において経理処理することとなり、申告調整の必要はありません。


  直法2-1通達
 (消費税等の損金算入の時期) 
 7 法人税の課税所得金額の計算に当たり、税込経理方式を適用している法人が納付すべき消費税等は、納税申告書に記載された税額については当該納税申告書が提出された日の属する事業年度の損金の額に算入し、更正又は決定に係る税額については当該更正又は決定があった日の属する事業年度の損金の額に算入する。ただし、当該法人が申告期限未到来の当該納税申告書に記載すべき消費税等の額を損金経理により未払金に計上したときの当該金額については、当該損金経理をした事業年度の損金の額に算入する。(平9年課法2-1により改正)

 (消費税等の益金算入の時期)
 8 法人税の課税所得金額の計算に当たり、税込経理方式を適用している法人が還付を受ける消費税等は、納税申告書に記載された税額については当該納税申告書が提出された日の属する事業年度の益金の額に算入し、更正に係る税額については当該更正があった日の属する事業年度の益金の額に算入する。ただし、当該法人が当該還付を受ける消費税等の額を収益の額として未収入金に計上したときの当該金額については、当該収益に計上した事業年度の益金の額に算入する。(平9年課法2-1により改正)


 

(85) 課税売上漏れがあった(簡易課税)。

(Update:H21.9.3)
   当期に計上すべき請負代金432円(内消費税額は32円)が計上されていないことが判明した。
  消費税額を計算したところ未払消費税額は25円であった。
  なお、当社は消費税額の計算に当たり簡易課税を選択している。 


 【修正年度の処理】

★修正内容を仕訳けで表現すると
(借)売掛金 432
     (貸)売上 400
    (貸)仮受消費税 32

(借)仮受消費税 32
    (貸)未払消費税 25
    (貸)雑収入 7

【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【加算】
売上計上漏れ
400 432
△32
 
雑収入 7 7  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
売掛金     432 432
未払消費税     △32
7
△25

【進行年度の処理】

★修正時の仕訳
(借)売掛金 432
    (貸)前期損益修正益 400
    (貸)仮受消費税 32

(借)仮受消費税 32
    (貸)未払消費税 25
    (貸)前期損益修正益 7

【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【減算】
前期損益修正益
400 432
△32
 
前期損益修正益 7 7  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
売掛金 432 432   0
未払消費税 △25 △32
7
  0

 

(84) 貸倒損失の計上が認められなかった。

(Update:H28.7.31)
   貸倒損失等に計上した864円(消費税相当額64円を含む。)は、貸倒には時期尚早につき、その計上は認められないことが判明した。
  なお、消費税額を計算したところ未払消費税額は63円であった。 


 【修正年度の処理】

★修正内容を仕訳けで表現すると
 (借)売掛金 864
    (貸)貸倒損失 800
    (貸)仮払消費税 64

(借)仮払消費税 64 
    (貸)未払消費税 63
    (貸)雑収入 1

【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【加算】
貸倒損失否認
800 864
△64
 
雑収入 1 1  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
売掛金     864 864
未払消費税     △64
1
△63

【進行年度の処理】

★修正時の仕訳
 (借)売掛金 864
    (貸)前期損益修正益 800
    (貸)仮払消費税 64

(借)仮払消費税 64 
    (貸)未払消費税 63
    (貸)前期損益修正益 1

【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【減算】
前期損益修正益
800 864
△64
 
前期損益修正益 1 1  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
売掛金 864 864   0
未払消費税 △63 △64
1
  0

 

(83) 非課税売上を課税売上としていた。

(Update:H21.9.3)
  当期の売上に計上した家賃収入3,240円(税込金額)を課税売上としていたが、非課税売上に該当することが判明した。
  なお、消費税額を計算したところ還付消費税額は220円であった。 


 【修正年度の処理】

★修正内容を仕訳けで表現すると
 (借)仮受消費税 240
    (貸)売上 240

(借)未収還付消費税 220 
(借)雑損失 20
    (貸)仮受消費税 240

【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【加算】
売上計上漏れ
240 240  
【減算】
雑損失
20 20  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
未収還付消費税   20 240 220

【進行年度の処理】

★修正時の仕訳
 (借)未収還付消費税 220 
    (貸)前期損益修正益 220 

【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【減算】
前期損益修正益
220 220  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
未収還付消費税 220 220   0