【17】 従業員の通勤手当について、遠距離通勤により所得税法の非課税限度を超えるため、その一部が給与に該当する場合に、この部分を課税仕入れとしていない。

 通勤手当は、「その通勤に通常必要であると認められる部分の金額」である限り、事例のように所得税法上給与に該当する場合であっても、課税仕入れに係る支払対価になる。(消基通11-2-2)

【16】 事業と家事に共用する減価償却資産を取得したとき、それに係る消費税等の全額を控除対象仕入税額としている。

 家事共用資産を取得した場合、その家事使用に係る部分は課税仕入れに該当しない。
 なお、当該資産の課税仕入れに係る支払対価の額は、その資産の使用率又は使用割合等の合理的な基準により計算する。(消基通11-1-4)
 また、家事共用資産を譲渡した場合も、同様の取扱いとなる。(消基通10-1-19)

【15】 接待交際費のうちに、その使途が明らかでないものや贈答用に購入した商品券及びビール券の代金が含まれており、いずれも課税仕入れに計上されている。

 使途が明らかでないものは課税仕入れに該当しないほか、贈答用に購入した商品券やビール券等も課税仕入れに該当しない。(消法6、別表1四ハ、消令11、消基通11-2-23)

【13】 営業収入のみを課税売上として、不動産収入(業務的規模)を課税売上に計上せず消費税を算出している。

 業務的規模の不動産収入についても、事業として対価を得て行う資産の譲渡等の対価として課税の対象となる。
 マンション1戸(ただし、居住用は除く。)の賃貸であっても、反復、継続、独立して行われていれば「事業として」に該当する。(消基通5-1-1)

【12】 店舗賃貸借契約において、賃借人が当該賃貸借契約を中途解約した場合には、賃貸人は預かり保証金等の一部又は全部を没収する旨の約定がされており、中途解約があったため、当該約定に従い賃貸人は、預かり保証金等の一部又は全部を没収したが、これは収益補償であるとして不課税取引としている。

 不動産賃貸借契約等の締結に当たって受ける保証金等のうち、当該賃貸借契約等の終了前における一定の事由(中途解約等)の発生により返還しないこととなるものは、権利の設定の対価であり資産の譲渡等に該当する。(消基通5-4-3)
 事例の場合は、店舗の賃貸借に係る設定の対価であり課税取引となり、当該課税資産の譲渡等の時期は、中途解約した日の属する課税期間となる。(消基通9-1-23)

【11】 棚卸資産を家事消費した場合、所得税法基本通達39-2≪家事消費等の総収入金額算入の特例≫の取扱いにより、通常の販売価額の70%相当額(仕入価額以上)を記帳の上、同額を事業所得の計算上総収入金額に算入し、所得税の確定申告をしているので、消費税においても同様に、当該70%を相当額を課税売上としなければいけないと考えている。

 棚卸資産を家事消費した場合には、原則として、通常他に販売する価格を課税売上としなければならない(消法4④一)が、消費税法基本通達10-1-18≪自家消費等における対価≫では、棚卸資産を家事消費した場合、通常の販売価額の50%相当額及び仕入価額以上の金額を課税売上として消費税の確定申告をすることを認めている。
 そして、この取り扱いは、家事消費として記帳した金額及び家事消費の事業所得の収入計上額に何ら影響されることなく適用されるものである。
 よって、棚卸資産を家事消費した場合、所得税において、通常の販売価額の70%相当額(仕入価額以上)を事業所得の計算上総収入金額に算入し、消費税において、通常の販売価額の50%相当額及び仕入価額以上の金額を課税売上として、それぞれ確定申告をすることができる。

【10】 所得税法上の雑所得に該当する収入をすべて不課税としている。

 消費税法は、国内において事業者が行う「資産の譲渡等」(事業として対価を得て行う資産の譲渡及び貸付並びに役務の提供)を消費税の課税対象としている。(消法4①)
 また、「事業として」とは、「同種の行為を反復、継続かつ独立して行うこと」をいうことから、所得税法上の所得区分が雑所得になるか否かによって消費性の課税関係が影響を受けるものではない。(消基通5-1-1)

【 9】 アパートの賃貸借時に受領した敷金・保証金を課税売上としている。

 居住用建物の貸付けは非課税であるが、この貸付けに係る対価の額には、月極め等の家賃のほか、敷金、保証金、一時金等のうち返還しない部分及び共同住宅における共用部分に係る費用を入居者が応分に負担するいわゆる共益費(住宅の貸付けに含まれないこととされる施設等に係る費用部分を除く。)も含まれる。(消基通6-13-9)

【 8】 店舗等併設住宅の賃貸料を非課税としている。

 住宅と店舗等が併設されている建物を一括して貸し付ける場合には、住宅として貸し付けた部分のみが非課税となる。(消基通6-13-5)
 この場合、建物の貸付けに係る対価の額を住宅に係る対価の額と事業用の施設に係る対価の額とに合理的に区分することなる。