(67) 権利金は繰延資産に当たるとされた。

(Update:H21.11.11)
   権利金600円を支払家賃(決算期日の6月前に支払う)として経理していたが、繰延資産に当たるとされました。
  なお、この権利金については、契約更新時に再び権利金の支払を要するか否かは不明なので、償却期間は5年となります。
  したがって、当期の償却限度額は600円×6月/60月=60円となります。 


【修正年度の処理】

★修正内容を仕訳けで表現すると
 (借)繰延資産 540
    (貸)繰延資産償却超過額 540 

【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【加算】
繰延資産償却超過額
540 540  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
繰延資産     540 540

【進行年度の処理】

★修正時の仕訳
 (借)繰延資産 540 
    (貸)前期損益修正益 540 

【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【減算】
前期損益修正益
540 540  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
繰延資産 540 540   0

 

(66) 支払手数料の中に使途不明金があった。

(Update:H28.7.31)
   事業拡張の労を取ってくれた個人に対して謝礼金として800円を支払い費用計上(支払手数料)したが、その相手方は明らかにできなかったので使途秘匿金とされた。


 法人が、交際費、機密費等の名義をもって支出した金銭で、その費途が明らかでないものは、損金の額に算入できません(法基通9-7-20)。
  なお、平成6年4月1日から平成28年3月31日までの間(平成20年4月1日から29日を除く)に使途秘匿金の支出をした場合には、通常の法人税に加え40%の追加課税がされます(措法62①)。 

【修正年度の処理】

★修正内容を仕訳けで表現すると
 (借)(使途不明金) 800
    (貸)支払手数料 800 

【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【加算】
使途不明金
800   800

注) 社外流出なので別表五への記載はありません。
 追加税額は、800円×40%=320円となり、法人税額計(別表一(一))に外書します。


 


 

 

(65) パーティ費用を招待者が持参した祝金を控除して交際費に計上した。

(Update:H21.10.20)
   創立記念のパーティ費用は500円でしたが、招待者が持参した120円を控除した380円を交際費に計上しました。
  なお、交際費の損金不算入額は、200円となりました。


 ★ 招待者が持参した祝金を交際費から控除することはできず、雑収入として処理すべきものと考えられます。その後に支出交際費等の額を再計算して交際費等の損金不算入額を計算することとなります。 

【修正年度の処理】

★修正内容を仕訳けで表現すると
 (借)交際費 111
(借)仮払消費税 9 
    (貸)雑収入 120 


(借)未収還付消費税 8
(借)雑損失 1
    (貸)仮払消費税 9
 

【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【加算】
交際費等損金不算入額
200   200
雑収入 9 9  
【減算】
雑損失
1 1  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
未収還付消費税   1 9 8

【進行年度の処理】

★修正時の仕訳
 (借)未収還付消費税 8 
    (貸)前期損益修正益 8 

【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【減算】
前期損益修正益
8 8  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
未収還付消費税 8 8   0

 

(64) 決算賞与に係る社会保険料が否認された。

(Update:H21.11.6)
   当年度は多少利益が出たので従業員に対して決算賞与を支給することとし、決算期末に未払賞与として計上しました。翌月の30日に支給して特に問題がありませんでした。
  しかし、この賞与に係る社会保険料(事業主負担部分)650円についても、決算期末において未払金として計上したが損金算入は認められなかった。
  (注)賞与に係る社会保険料の損金算入の時期は賞与の支給日となっている。 


【修正年度の処理】

★修正内容を仕訳けで表現すると
 (借)未払金 650 
    (貸)法定福利費 650 

【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【加算】
法定福利費
650 650  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
未払金     650 650

【進行年度の処理】

★修正時の仕訳
 (借)未払金 650 
    (貸)前期損益修正益 650 

【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【減算】
前期損益修正益
650 650  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
未払金 650 650   0

【参考】社会保険料等の損金算入の時期

種類 区分 損金算入時期
社会保険料 通常月の保険料、掛金又は徴収金 計算対象月の末日(注)
特別保険料 賞与支給日
退職金共済掛金等 納付又は払込みをした日

(注) 厚生年金保険法による設立事業所の減少に係る掛金の一括徴収又は解散時の掛金の一括徴収による掛金は、納付義務確定日  



 

 

(63) 従業員に決算賞与を支給したが否認された。

(Update:H21.9.3)
   当年度は多少利益が出たので従業員に対して決算賞与(総額700円)を支給することとし、決算期末(3月31日)に各人の支給額を通知して未払金に計上しました。支払に当たっては、4月30日に500円を支払い、残額の200円は夏季賞与(6月30日)に上乗せをして支払いました。
  しかし、決算賞与の損金算入の条件である支払い日の要件を満たしていないとして決算賞与全額700円を否認されてしまいました。 


 ★ 決算賞与の特例については、明示されている通知、支払い、損金経理の3条件をクリアしない場合、例えばその事業年度終了後に入社した者にも決算賞与に準じた金額が支払われた場合には、全体の損金算入が否認されることになります


【修正年度の処理】

★修正内容を仕訳けで表現すると
 (借)未払金 700 
   (貸)賞与 700 

【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【加算】
賞与否認
700 700  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
未払金     700 700

【進行年度の処理】

★修正時の仕訳
 (借)未払金 700 
   (貸)前期損益修正益 700 

【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【減算】
前期損益修正益
700 700  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
未払金 700 700   0

【参考】使用人賞与の損金算入の時期

支給形態 要件 損金算入時期
(1) 労働協約又は就業規則による支給予定日が到来している賞与(法令72の5一) 使用人にその支給額の通知がされているもの
支給予定日又は通知をした日の属する事業年度において損金経理しているもの
支給予定日又は通知をした日のいずれか遅い日の属する事業年度
(2) 翌事業年度1か月以内に支給された賞与(法令72の5二) 支給額を各人別に、かつ、同時期に支給を受けるすべての使用人に通知していること
①の通知をした金額を通知したすべての使用人に対し、通知した日の属する事業年度終了の日の翌日から1か月以内に支払っていること
支給額につき①の通知した日の属する事業年度において損金経理していること
使用人に支給額の通知をした日の属する事業年度
(3) 上記以外の賞与(法令72の5二) 支給日の属する事業年度 

 

(62) 短期前払費用の特例が認められなかった。

(Update:H21.9.3)
    契約の上で1年分を前払いすることとなっている事務所家賃756円(内消費税56円))を決算期末に未払計上したが、短期前払費用の特例を受ける要件に該当しないとして認められなかった。
  なお、未払消費税は50円となった。


【修正年度の処理】

★修正内容を仕訳けで表現すると
 (借)未払金 756 
   (貸)家賃 700 
   (貸)仮払消費税 56


(借)仮払消費税 56 
   (貸)未払消費税 50    
   (貸)雑収入 6

【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【加算】
前払家賃否認
700 700  
雑収入 6 6  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
未払金     756 756
未払消費税     △56
6
△50

【進行年度の処理】

★修正時の仕訳
 (借)未払金 756 
   (貸)前期損益修正益 700 
   (貸)仮払消費税 56


(借)仮払消費税 56 
   (貸)未払消費税 50    
   (貸)前期損益修正益 6

【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【減算】
前期損益修正益
700 756
△56
 
前期損益修正益 6 6  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
未払金 756 756   0
未払消費税 △50 △56
6
  0

★短期前払費用の特例を受けるためには、次の要件をすべて満たすことが必要です。
  ① 一定の契約に従って継続的にその期間中に、等質、等量のサービス提供を受けるものである。
  ② 役務提供の対価である。
  ③ 翌期以降において時の経過に応じて費用化されるものである。
  ④ 現実にその対価を支払っている。
  これらの費用のうち、支払い日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを短期前払費用といい、法人が継続して支払い日の属する事業年度で損金の額に算入しているときは、これを認めることとしています。 


【説例(決算期は3月31日】

説例 損金算入が
可能な額 不可能額
 ① 決算期末(3/31)に支払った従業員用社宅の4月分から翌年3月までの家賃600円 600  
 ② 来期の5月1日から向こう1年間の運送保険料120円を3月中に前払いした金額   120
 ③ 駐車場の料金を、3月分から8月分までを3月末に180円支払った金額 180  
 ④ 工業所有権の使用料を3月末に、3月分から翌年5月分までの1年3か月分として750円を前払いした金額 50 700
 ⑤ 翌期に放映されるテレビCM料(6か月以内に放映が完了する)800円を当期に支払った金額   800

 

(55) 建物取壊し費用等が土地の取得価額に含まれるとされた。

(Update:H21.11.10)
  土地を50,000円で取得して、その土地にあった建物700円を直ちに取壊し新たにアパートを新築した。この時の取壊し費用800円(雑損失)を費用計上しました。

【法人が行っていた経理処理】
(借) 土地 50,000
(借)建物 700
    (貸) 現預金 50,700
(借)建物除却損 700
(借)雑損失 800
    (貸)建物 700
    (貸)現預金 800

【修正年度の処理】

★ 建物700円は、土地取得のために一緒に購入したものと考えられるので、その取壊し費用とともに土地の取得価額となります。

★修正内容を仕訳で表現すると
(借)土地 700
(借)土地 800
    (貸)建物除却損 700
    (貸)雑損失 800
【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【加算】
建物除却損否認
700 700  
雑損失否認 800 800  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
土地     1,500 1,500

【進行年度の処理】

★修正申告時の仕訳
(借)土地 1,500
    (貸)前期損益修正益 1,500
【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【減算】
前期損益修正益
1,500 1,500  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
土地 1,500 1,500   0

 

(54) 土地売却の計上時期が誤っているとされた。

(Update:H21.11.6)
  土地売却代金(総額1,000円)の一部が翌期になるとして売却代金900円を仮受金として処理したが、既に引渡しが完了しており収益に計上すべきであるとされた。
  なお、土地の期末簿価は600円、譲渡費用は30円でした。

★法人が行っていてた経理処理
(借)現預金 900
(借)仮払金 30
    (貸)仮受金 900
    (貸)現預金 30

【修正年度の処理】

★修正内容を仕訳で表現すると
(借)借受金 900
(借)未収入金 100
    (貸)土地 600
    (貸)仮払金 30
     (貸)土地売却益 370
【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【加算】
土地売却益計上漏れ
370 370  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
未収入金     100 100
借受金     900 900
土地   600   △600
仮払金   30   △30

【進行年度の処理】

★修正申告時の仕訳
(借)借受金 900
(借)未収入金 100
    (貸)土地 600
    (貸)仮払金 30
    (貸)前期損益修正益 370
(借)現預金 100
    (貸)仮払金 100
【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【減算】
前期損益修正益
370 370  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
未収入金 100 100   0
借受金 900 900   0
土地 △600   600 0
仮払金 △30   300 0

 

(53) 子会社から高額で取得したとして寄附金と認定された。

(Update:H21.9.3)
  子会社から取得した構築物の取得価額等は次のとおりであるが、取得価額と時価との差額500円は、子会社に対する寄付金と認定された。
  なお、寄附金の損金不算入額は、485円となった。 

取得価額 時価 償却率 損金計上額
900 400 0.250(定率) 225

【修正年度の処理】

★修正内容を仕訳で表現すると
(借)寄附金 540
    (貸)構築物 500
    (貸)仮払消費税 40
(借)減価償却の償却超過額 125
    (貸)減価償却費 125
(借)仮払消費税 40
    (貸)未払消費税 40
【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【加算】
減価償却の償却超過額
125 125  
【減算】
寄附金認容
540 500
△40
 
       
寄附金の損金不算入額(23) 485   485
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
減価償却の償却超過額     125 125
構築物   500   500
未払消費税   △40   △40

【進行年度の処理】

★修正申告時の仕訳
(借)前期損益修正損 540
    (貸)構築物 500
    (貸)仮払消費税 40
(借)構築物 125
    (貸)前期損益修正益 125
【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【加算】
前期損益修正損
540 500
40
 
【減算】
前期損益修正益
125 125  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
減価償却の償却超過額 125 125   0
構築物 500   500 0
未払消費税 △40   40 0

 

(52) ソフトウエア取得費を損金経理した。

(Update:H21.9.3)
   ソフトウエアの取得費300円が、消耗品費として全額損金経理されていることが判明した。このソフトウエアは税務上資産計上すべきものであり、その耐用年数は5年(定額法償却率 0.200)で、当期の償却額は60円と算出された。 
ソフトウエアは従来、繰延資産として5年間の償却対象とされてきましたが、H12.4.1以後に取得するものから,無形固定資産とされ、その償却期間及び残存割合は次のとおりとなりました。

ソフトウエアの耐用年数 償却期間 残存割合
研究開発用のソフトウエア 3年
上記以外のソフトウエア 複写して販売するための原本
その他 5年

【修正年度の処理】

★修正内容を仕訳で表現すると
(借)減価償却の償却超過額 240
    (貸)消耗品費 240
【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【加算】
減価償却の償却超過額
240 240  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
減価償却の償却超過額     240 240

【進行年度の処理】

★修正申告時の仕訳
(借)ソフトウエア 240
    (貸)前期損益修正益 240
【別表四】
区分 総額 処分
留保 流出
【減算】
前期損益修正益
240 240  
【別表五】
区分 期首 当期の増減 期末
減価償却の償却超過額 240 240